↑B
2012.08.15
起きている時に学んだ事は睡眠中(特に寝た直後のレム睡眠中)に脳に定着する
「しっかり寝ないと勉強の効率が上がらないよっ」とはよく言われたものですが、その根拠が実験により明らかになっています。記憶には短期記憶と長期記憶があり、短期記憶が長期記憶に変化するにはきちんとした睡眠が必要のようです。1つ目に紹介する実験はイスラエルの研究者らによって行われ有名な学術雑誌「サイエンス」に投稿されたものです。
(実験1)
研究者らは集めたボランティアに1日2回(朝と晩)に「模様の中にパターンを見つける簡単なテスト」を連日行ってもらいました。テストを繰り返すごとにボランティアのスコアはテストに慣れ徐々に上がっていきました。例えば1日目の朝のスコアより、夜のスコアが高くなり、しっかりと寝た場合には1日目の夜のスコアより、2日目の朝のスコアが上昇するといった具合です。しかしながら、ボランティアが睡眠している最中にレム睡眠を妨害したところ睡眠の前後でスコアの上昇が起こらないことが分かりました。これに対し非レム睡眠を妨害してもスコアの上昇は起こったことから、この実験はレム睡眠が学習した内容の定着に重要な役割を担っていることを証明しています。ちなみに余談になりますが、多くの事を覚えた日の夜はレム睡眠の量が増えることが以前より知られています。
もう一つの実験は2000年にアメリカの研究者らにより報告されたものです。
(実験2)
研究者らは、睡眠の前半と後半のどちらが学習に重要かを比較しました。実験に参加したボランティアは睡眠を2回に分けて行うように慣れさせた後、
と4種類の条件で学習効率の確認を行ってもらいました。すると、睡眠(前半)の後には高い学習効率が観察されました。反対に睡眠(後半)をはさんでも学習効率は低いままでした。また、睡眠の前半、後半も省略し起きたままいたとしても学習効率は低いままでした。これらの実験は、それぞれの日の夜、ベッドに入った直後から数時間間に起きていた時に行った学習内容を脳に定着させる作業が脳で行われていると推定されます。
これらの実験はテストの前に一夜漬けというのは効率が悪い勉強方法であることを物語っています。まあ、覚えていないものを思い出すことは出来ませんので、そういう時は仕方ないとも思いますが・・・・
Category:睡眠
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