FGF18が毛の休止期を維持する物質であることが発見される。新しいメカニズムの育毛剤の可能性も
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2012.02.21

FGF18が毛の休止期を維持する物質であることが発見される。新しいメカニズムの育毛剤の可能性も

 毛を作り出す毛根は成長期(growth)退行期(catagen)休止期(telogen)を繰り返すことで毛を作り出す。すなわち存在する毛根のうち毛を生やしているのはほんの一部であり順番に発毛することで全体として持続的に毛が維持される。これまで、毛を生やすという目的もあり成長期や退行期に関するメカニズムはよく調べられてきたが、、休止(telogen)に関してはあまり分かっていなかった。今回、日本の産総研の研究者らは繊維芽細胞増殖因子(FGF: Fibroblast Growth Factor)の一つであるFGF18が毛根で休止期(telogen)の間にのみ作り出され、発毛を抑制し休止期を維持していることを発見した。

 研究者らはこの発見を確認するためにFGF18を持たないマウスを遺伝子操作で作り出した。(FGF18は毛根以外の部分でも機能していて全身で機能しなくすると正常に生まれてこないため、毛根でのみ遺伝子を機能させなくした(keratin5陽性細胞でのみノックアウト)マウスを作成)。すると作り出したマウスでは通常は1ヶ月程度続く毛の作られない休止期が大幅に短くなり1週間程度で次のサイクルに入り、非常に早いサイクルで発毛のサイクルが進んで

 これらの研究結果は毛根でFGF18の作用を抑制すれば毛を生やしている期間を延長し発毛剤として使える可能性を示した結果といえる。
 
 これまで売り出されている発毛剤は今回発見されたFGF18とは別のメカニズムで作用している。たとえば「リアップ(海外ではロゲイン)」の発毛成分「ミノキシジル」は頭皮の血行を良くすることで発毛を促す、また、プロペシアという発毛剤は脱毛の原因となることが知られている物質の働きを抑制する。メカニズムが異なるため、FGF18のメカニズムを利用して開発した発毛剤は他の発毛剤と同時に使うことも可能かもしれない。また他の育毛剤にも言えることだが、このFGF18は毛根以外の部分(骨や軟骨の形成に関わっている事が報告されている)でも機能を持っているため、FGF18の作用を抑制する薬が出来たとしても頭皮から他の部分に行き悪影響を及ぼさないかの安全性を確認する必要があるだろう。

 余談だが今回の発表を行った産総研の今村亨先生のグループはFGF18が毛根に多く存在していることを既に5年前には発見している。この時はFGF18が発毛に有利に働くと考えFGF18を発毛剤として使う特許を出願している。(特開2006−83082)。今回、実はFGF18が毛の休止期のみで作用し逆の作用を持つことを報告したわけで研究とは面白いものである。

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