ネズミの心臓細胞とシリコンシートで作った人工クラゲ(動画)
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2012.09.12

ネズミの心臓細胞とシリコンシートで作った人工クラゲ(動画)



 「生物」の仕組みを利用して「メカ」を作る。そんな研究分野がゆっくりとそして着実に進んでいます。今回、アメリカ・カリフォルニア工科大学の研究者らはシリコンシートネズミの心臓細胞を組み合わせクラゲそっくりに動く「人工クラゲ」を作り出しました(文献1)。研究者らはこの人工クラゲを伝説の怪物「メデューサ」と「人工物」両方の意味を含む「Medusoid」と呼んでいます。

【作り方】人工クラゲの骨格にあたるシリコンシートは大きさ1cmほど、厚さは0.02mmほどで、本物のクラゲそっくりのサイズ・形にデザインされています。次に生後2日の新生児ラット(大型ネズミ)の心臓の細胞を取り出し4日間プレート上で培養した後でシリコンシートの片側のみに貼り付けています。

【なぜ動くのか】心臓の細胞は電気刺激を受け収縮する働きがあります。この人工クラゲの入っている水に微弱な電流を流すと、その電流がいわばペースメーカーとして働き、シート上の心臓細胞が一斉に収縮しシリコンシートを細胞が張り付いている側に丸めます。この時、同じ側の水を押し出します。結果としてシリコンシートはクラゲのように片側に向かい進んで行きます。電流を止めるとシリコンの弾力で平らな状態に戻りますのえで、1秒間に1回などリズム良く電流を流すとクラゲそっくりに水の中を一方方向に進んでいきます。

 こういった研究は生物模倣(バイオミメティクス)研究と言われています。この研究グループは2007年には既にMedusoidの基礎となる「シートの上に心臓の細胞を接着させ動かす」事に成功し発表(文献2)しています。今回の発表はその技術を改良・発展させて応用したものです。

 また、この研究のように生物の仕組みを利用して「メカ」を作ることを目指した研究に関しては以下のような報告に最近の成果がまとめられています。

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