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2012.12.26
お腹の調子を良く出来る遺伝子組み換え乳酸菌入りのヨーグルトが実現するかも
「お腹の調子が悪い」って人は割と多く現代社会で胃腸の不調を訴える人は増加傾向にあり、たとえばフランスでは20万人の人が炎症性腸炎を患っています。腸の炎症は慢性的な下痢を引き起こしますし、場合によっては肛門の疾患にもつながります。
慢性的な腸の炎症の原因は家系的な原因や生活習慣の原因など様々な可能性がありますが、多くの腸炎で問題となるのは腸内で食物を分解するための分解酵素が腸そのものも攻撃してしまう事なのです。健康な状態の腸では腸壁からElafinなどの天然の酵素妨害物質(プロテアーゼ阻害剤)が分泌されていて防御しているのですが、炎症性大腸炎などの患者ではこれらの防御物質が作られなくなっていることが報告されています。
今回、フランスINSERM(王立医学研究機構)の研究者らは腸内で不足している腸壁を保護する物質をヨーグルトなどに含まれる乳酸菌に作らせることを考えました。ヨーグルトなどと一緒に腸に入った乳酸菌に腸壁を保護する物質を作らせ腸内を健康に保とうとする作戦です。
研究者は食品用に使用されている2種類の乳酸菌を遺伝子操作し人間の持つのと同じElafinという分解酵素妨害物質を作るように改造しました。そして、作った乳酸菌を急性腸炎や慢性腸炎にしたマウスに口から定期的に与えたところ、この乳酸菌を食べていないマウスに比べて腸の炎症を抑制可能であることが確認出来たそうです。
また、この乳酸菌を人間に食べさせる実験は行われていませんが、研究者らは人間の腸の細胞をプレート内で培養するモデル実験を行い人間の腸細胞もこの乳酸菌で保護出来ることを既に確認しています。
遺伝子組み換え乳酸菌って言うと拒否反応を示す人もいるかもしれませんが、良い効果を持つ食品ならどうでしょうか?こういった食品が社会に受け入れられるなら将来は特殊な機能を持った乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルトがスーパーで売られるようになるかもしれません。
Category:#サプリメント
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