↑B
2012.12.05
太りやすい人と、太りにくい人がいる事に異論がある人はいないでしょう。また、同じ人でも以前より太りやすくなったりすることもあります。これれらは生まれ持った体質の違いや年齢に伴う体質の変化の影響もあるとは思いますが、どうやら腸内細菌の種類が太りやすさに影響していることが分かってきました。
アメリカ・ワシントン大学の研究者が太ったマウスと痩せたマウスを集め、それぞれのマウスの腸内細菌の種類を調べました(文献1、2)。マウスや人の腸内には実に1000種類以上の多様な細菌が住んでいますが、それらは大きくわけてB類(Bacteroidetes,バクテロイデス)かF類(Firmicutes,ファーミキューテス)の2種類に分類出来ます。この比率を調べました。
太ったマウスと痩せたマウスでF類細菌とB類細菌の比率を調べたところ、太ったマウスではF類細菌が多く、B類細菌が少ないことが分かりました。また、人間のボランティアに協力してもらい同様の比較を行ったところ同じ傾向が確認されました。
★腸内細菌移植実験
次に研究者はこの腸内細菌を別のマウスに移植し、太りやすさが伝わるかを実験しました。腸内細菌のいない無菌マウスに、太ったマウスまたは痩せたマウスの腸内細菌を移植し、それぞれのマウスを同じ環境で2週間飼育しました。その結果が下記になります。移植した腸内細菌 2週間後の体脂肪の増加 太ったマウスの細菌 47% やせたマウスの細菌 27%
予想通り太ったマウスの腸内細菌を移植したマウスは太りやすい傾向が見られました。この実験結果は腸内細菌の違いが太りやすさに影響を与えていることを証明しています。
これらの細菌の比率はどのように決定されるのでしょうか?生まれつき?いえいえ、簡単に太りやすい細菌を減らすことが出来るみたいです。方法は簡単で食事量を減らすことです。太ったマウスの食事を減らし、ダイエットさせると徐々に腸内細菌の中でB類細菌が増え、すなわち太りにくい腸内細菌比率に変わっていくことがわかりました。
これらの実験は、食事をたくさん食べると太ってしまう上に、腸内細菌が変化しより太りやすくなるという二十の悪影響があることを意味しています。
F類細菌が多いとなぜ太りやすいのでしょうか?。アメリカ・ノースカロライナ大学の研究グループは魚(ゼブラフィッシュ)を用いてこの疑問に取り組んでいます(文献3、4)。腸内のF類細菌が増えるとともに以下2つの現象が確認されました。
現在の食生活ではエネルギーの多くを脂肪から得ており、西洋の食事では40〜55%が脂肪、母乳のみを飲んでいる幼児でさえ45〜55%のエネルギーを脂肪から得ています。今回紹介した研究は、腸内細菌の種類により食べた食物中の(1)取り込みやすさ、(2)溜め込みやすさ。の2つが変化することを証明しています。
Category:#腸内細菌 #う〇こ移植治療
Keyword:母乳/9
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腸内細菌
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人間の腸内には3万種類、100〜1000兆個の腸内細菌が存在し、実も種類も数も人体を構成する細胞(60兆個)よりも多い。こららの細胞が腸内で様々な生命活動をし、作り出す化学物質は腸から吸収されていくのだから健康への影響は非常に大きい。近年では腸内細菌の種類が人体に様々な影響を及ぼし、また健康な腸内細菌の移植(カプセルに入れて飲み込むとか)、で様々な治療が可能であることが明らかになっている。
キーワードはVerrucomicrobia(細菌の種類)、プロピオン酸、ポリアミン、レジスタントスターチ、抗生物質
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