飲み過ぎは脳のシナプス接続をつなぎ変え不安への感受性を増加させる
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2013.01.04

飲み過ぎは脳のシナプス接続をつなぎ変え不安への感受性を増加させる

 これまでにもPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの不安障害飲み過ぎの関係は指摘されていましたが、マウスを使った新しい実験によりアルコールの影響が明らかとなっています。どうやら飲み過ぎは脳の神経回路を組み変えトラウマ的な出来事から立ち直るのを難しくしているようです。

 この研究はアメリカNIH(国立衛生研究所)の研究者により発表されました。研究者らはマウスを2つの飼育ケージに分け、片方の飼育ケージにはアルコールを含んだ空気を送りこみ、中にいるマウスの血中アルコール濃度が175mg/dlぐらいになるように維持しました。この量は人間に換算するとビール大びん3〜5本飲んで千鳥足になっている程度で飲み過ぎ状態を人工的に作り出した状態です。もう一方の飼育ケージは通常どおり飼育しました。

 そして可哀想な実験ではありますがマウスにブザー音とともに弱い電気ショックを定期的に与えました。こうするとマウスはたとえ電気ショックが無くてもブザー音だけで過敏な反応を示すようになります。いわばPTSDの状態です。

 実験の途中からは電気ショックを止めてブザー音のみを聞かせるようにしたのですが、アルコールを飲んでいないマウスは早い段階で徐々にブザー音を恐れなくなっていった一方で、飲み過ぎ状態のマウスはいつまでたってもブザー音を恐れ続けていました。PTSD状態からなかなか抜け出せない状態になっていました。

 飲み過ぎマウスの脳を解剖してみたところ、脳の神経細胞が従来とは異なる形になっており、NMDAレセプターが抑制された状態に変化していることが分かりました。NMDAレセプターは記憶や学習に重要な役割を担っており、記憶や学習が妨げられている状態であることを意味しています。

 研究者らは、飲み過ぎ状態は脳の神経細胞の配線を組み変え不安への感受性を増大させると共にPTSDから立ち直りにくくしていると指摘しています。

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