2013.01.18
男はダイエットの時に脂肪燃焼作用がある「褐色脂肪細胞」に期待しても無駄。女と違ってほとんど体内に無い
脂肪の中の細胞には2種類あることが知られています。脂肪を溜め込む「白色脂肪細胞」と、食事を食べた時や周囲が低温になった時に脂肪を燃焼させ熱を発生させる「褐色脂肪細胞」です。
脂肪を燃焼させることの出来る褐色脂肪細胞はダイエットを成功させるキーとして、様々なダイエット方法で取り上げられることがありますが、どうやら最新の研究によると体内の褐色脂肪細胞の量は男と女で大きく違うようです。
最近になり体内に含まれる褐色脂肪細胞の量をFDGという標識グルコース誘導体を用いて測定出来るようになりました。ドイツの研究者はこの方法を使って、年齢や性別、太り具合によって体内にある褐色脂肪細胞の量がどれぐらい違うのか比較しました。
研究者は11歳~82歳の男女260人の褐色脂肪細胞の量を調べ、性別や体型(BMI値)との関係を調べました。その結果が以下のグラフになります(報告論文のデータから作成)
褐色脂肪細胞は幼児期には沢山ありますが、徐々に減少していくことが知られています。生まれた頃には100グラム程度あると言われる褐色脂肪細胞も11歳~43歳の平均を調べると男女ともおよそ50グラム程度に減っていました。ここまでは以前から知られていた事です。
今回、43歳以降の人の褐色脂肪細胞の量を調べたところ、女性は徐々に減少するものの56歳以降でも15グラム程度は残っているのに対して、男性は急激に量が減少し43歳以降では、ほとんど無い事が分かりました。
次のグラフは1つ1つの褐色脂肪細胞の脂肪を燃焼させるパワーを調べたものです。
男性ではさらに1つ1つの褐色脂肪細胞の働きも弱いことが分かりました。褐色脂肪細胞は動物実験から換算すると50グラムあれば1日に400キロカロリー程度脂肪を燃焼させると言われています。ダイエット法の中では「お風呂あがりに冷水を浴びて褐色細胞を活性化、数を増やす!」とか言っているのを見かけますが、今回の研究結果を合わせて考えると、中年以降の男性ではこういったダイエット方法は無駄で寒いだけかもしれません。
- Impact of age on the relationships of brown adipose tissue with sex and adiposity in humans.Diabetes. 2010 Jul;59(7):1789-93.PMID:20357363
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
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