ヨーグルトなどに含まれる微生物が人間の思考に影響を与えている
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2013.06.05

ヨーグルトなどに含まれる微生物が人間の思考に影響を与えている

 「腸」「脳」によって働きを制御されていますが、逆に「脳」「腸」によって制御されているようです。人間のボランティアを使った実験で腸内細菌の状態が人間の思考や感覚に影響を与えることが報告されました。

 この研究はアメリカUCLAの研究者Mayerらのグループにより報告されました。研究者らは健康な18〜55歳の女性36名に協力してもらい次のような実験を行いました。

 女性らを3つのグループに分け、第1グループには様々な微生物(プロバイオティクス)を含むヨーグルトを1日2回食べてもらいました。第2グループには微生物を取り除いたヨーグルトを食べてもらいました。第3グループにはヨーグルトを食べてもらいませんでした。

 第1グループと第2グループが食べたヨーグルトは見た目や味はまったく同じで栄養価も同じです。参加した女性は自分達がどちらのヨーグルトを食べているのか分かりません。

第1グループ微生物(プロバイオティクス)を含むヨーグルト
第2グループ微生物(プロバイオティクス)を含まないヨーグルト
第3グループヨーグルト無し

 実験を開始してから4週間後に参加者の脳の活動状態をfMRI装置で分析しました。すると微生物を含むヨーグルトを食べたグループと微生物を含まないヨーグルトを食べたグループでは脳の働きに違いが見られました。

 具体的にはプロバイオティクスを含むヨーグルトを食べた女性達は、何かしている時の感情や身体の感覚を司る脳の活動が低下していることが分かりました。一方、休憩時には感情や認識、感覚などを統合する脳幹の働きが上昇していました。

 観察されたこの差が具体的にどんな状態を表すのかを一言で表すことは難しいですが、一つ言えるのは腸内細菌の状態の差が思考や感覚に影響を与えているということです。

 内臓の病気を患った患者さんの中には、これまで経験したことが無い気分の落ち込みを感じる人がいますが、これらは病気により腸内細菌の状態が変化したことが原因かもしれません。

 また病気でなくても腸内の微生物の種類や状態は食べている食事の内容(肉が多かったり、野菜が中心だったり)といったことや、ヨーグルトなどの発酵食品を食べる頻度などで変化することが知られています。こういった食生活の差が、その人の性格や、様々な事の感じ方に影響を与えているのかもしれません。

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人間の腸内には3万種類、100〜1000兆個の腸内細菌が存在し、実も種類も数も人体を構成する細胞(60兆個)よりも多い。こららの細胞が腸内で様々な生命活動をし、作り出す化学物質は腸から吸収されていくのだから健康への影響は非常に大きい。近年では腸内細菌の種類が人体に様々な影響を及ぼし、また健康な腸内細菌の移植(カプセルに入れて飲み込むとか)、で様々な治療が可能であることが明らかになっている。

キーワードはVerrucomicrobia(細菌の種類)、プロピオン酸、ポリアミン、レジスタントスターチ、抗生物質


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