レジ打ちの仕事は危険?感熱紙を2時間触り続けるだけで、尿中から検出されるBPA(ビスフェノールA)の濃度が上昇する
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2014.03.04

レジ打ちの仕事は危険?感熱紙を2時間触り続けるだけで、尿中から検出されるBPA(ビスフェノールA)の濃度が上昇する

 BPA(ビスフェノールA)は古くから使われている化学物質で塗料として今でも様々な用途に使用されていますが、近年、BPAが大人の生殖能力や子供の神経発達などに悪影響を及ぼすことが報告され問題となっています。

 これまで注目されていたのは主に、食品包装紙やプラスチック容器などを通じて食事から入ってくるBPAであり、BPAを含まない食器・食品包装容器の使用が推奨され、国産の食品なら対策が進んでいるはずです。しかし、今回、アメリカ・シンシナティ子供病院のEhrlichらは、レジなどで使われる感熱紙に注目し驚くべき結果を報告しています。

 研究者らは24人のボランティアを雇い、実験を開始する前の尿サンプルを採取し、その後、感熱紙を2時間触り続けてもらいました。その後、再び尿サンプルを採取し、尿中のBPA濃度を調べました。

 実験開始前の尿サンプルでは83%(20人)の尿からBPAが検出されました。これはBPAが日常生活のいたるところで使われているためです、そして2時間感熱紙を触り続けてもらった後では全員の尿中からBPAが検出されました。これは感熱紙に含まれるBPAが皮膚を通して吸収され体内に入っていることを示しています。

 濃度を比較すると、実験前は尿中の平均が1.8μg/L、触った後は5.8μg/Lでした。濃度は実験後12時間経過しても高く、24時間後には低下していきました。

 BPAの有害性に関しては多数の報告がありますが、例を挙げると↓の研究では血中濃度が0.6μg/L以下の人に比べ、1.6μg/L以上の人は妊娠中に流産する確率が1.83倍高いことが報告されています。またサルを用いた研究では、従来考えられていたよりも低い濃度で胎児に悪影響があることが報告されています。

 感熱紙を触り続ける機会が全く無い人もいれば、スーパーのレジで働いている人などは日常的に触る環境にあるはずです。こういった人は手袋をして仕事をした方が良いかもしれません。

Category:#生活習慣

 Keyword:BPA/2 ビスフェノールA/2




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