↑B
2010.02.23
胃ガンは日本人に多いガンとして知られます。そして、生じる胃ガンのうちの何割かが、「ピロリ菌」と呼ばれる細菌に長い間、さらされることによって生じやすくなることが明らかになっています。
2007年10月に東大医科学研究所の笹川千尋らの研究グループが発表したところによると、ピロリ菌への感染により、胃の表皮細胞の細胞死が通常の半分以上に抑えられていることが分かりました。胃や腸などの消化管の細胞は絶えず入れ替わることにより、病原菌の感染や、さらされている過酷な消化管の環境に耐えていますが、ピロリ菌に感染し、死ににくく、入れ替わりにくくなることでガン細胞が出来やすくなっているようなのです。
また、研究者らは、このピロリ菌による細胞死の抑制が「CagA」というタンパク質の作用であることも突き止めています。CagAを持たないピロリ菌ではこの細胞死の抑制が起きないそうです。
胃以外でも細胞死を無理に抑制することにより細胞のガン化の可能性が上がることが知られています。
Category:感染による腫瘍形成
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