↑B
2017.01.27
攻殻機動隊2の世界がすぐそこに、人間の細胞含むブタ胎児の作製成功…臓器作りへ
攻殻機動隊2ではポセイドン・インダストリアル社の子会社メディテック社が、交換臓器用の人間の臓器を持ったブタを飼育する施設を運営していましたが、そういった時代に近づいていると言えます。
今回、アメリカ西海岸のソーク研究所の研究者達は異なる動物の細胞を持つ動物を生み出す研究をまとめ、科学雑誌の最高峰の1つ「Cell」に発表しています。
報告内容の要旨としては
(1)人間のiPS細胞を受精後の卵子に入れることにより、人間の細胞を持つキメラブタが生まれる(人間の細胞はほんの一部)。
(2)ラット(大ネズミ)の細胞は同じようにブタの卵子に入れてもキメラブタは生まれない(種が違いすぎる?)
(3)ラット(大ネズミ)の細胞を遺伝子改変し、特定の臓器が作れなくしたマウス(小ネズミ)に入れると、ラットの細胞で構成された、作れなくしたはずの臓器を持つマウスが生まれる。(※遺伝子改変はCRISPR-Cas9ゲノム編集技術を利用)
これは非常に倫理的に危うい研究なのを研究者も分かっており、絶妙な内容になっています。具体的には(1)(2)の研究で人間の細胞もブタを使えばキメラが作れることを示した上で(しかもブタは生まれる前に解剖し、生まれるまで実験していません)、さらに、現状では生まれてきたブタに含まれるヒト細胞はほんのわずか。で実験を終えていますが、実際は(3)の研究で示すように、宿主となるブタの細胞にCRISPR-Cas9で臓器形成不全を促すことで移植したヒトの細胞で構成された臓器が生み出せる可能性を言及している報告と言えます。
Category:#臓器移植
コメント
いいっすね!=21
001 [01.27 18:16]j:この研究って、人類のこれからを考えてやって良いことなんですかね?研究者、人類の興味としては非常に気になることなんだろうけど。これがホントに利用されるようになる世の中になる前に死にたいな…。って自分が病気になって必要になったら真逆になるかもしれないが… ↑(9)
002 [03.22 14:00]ら:攻殻機動隊でぶたの臓器移植が出てきて、本当にそれが実現するようになるとは驚きました ↑(2)
■■ このカテゴリーのその他の記事■■
■■他サイトの関連記事(自動)■■
ブタ
iPS細胞
人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells)
.wikipedia
.皮膚細胞から万能幹細胞の誘導に成功(化学技術振興機構)
.世間を賑わす「iPS細胞」とは何だろうか(東洋経済)
.ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)の樹立に成功(京都大学)
■■ 最近アクセス数の多い記事 ■■