新システムCRISPR/CasRxで生体内のRNAを分解・編集可能に、ウイルスへの搭載も可能
カテゴリー:治療技術(記事数:18)

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2018.03.27

新システムCRISPR/CasRxで生体内のRNAを分解・編集可能に、ウイルスへの搭載も可能


Transcriptome Engineering with RNA-Targeting Type VI-D CRISPR Effectors. Cell. 2018
 CRISPR/Casが何か分からないという人も多いかもしれませんが、いずれ「ナノマシン」と呼ばれるたんぱく質の粒の始まりと言えば興味を持ってもらえますかね?
 一番有名なCRISPR/Cas9DNAを編集するツールです(既にCas9よりも効率的な様々な改良ツールの開発が進んでいますが)これらはDNA(体の設計図)を書き換えるためのツールで、医療への応用を考えると生まれつきの遺伝子に記されている問題を解決したりする用途がターゲットになります。

 これに対してCRISPR/Cas13というRNAを分解・編集するツールもあります。これは、DNAを元に作られ体内のタンパク質の構造をコードするRNAを分解・編集することが出来ます。

DNA→RNA→体の構成成分(タンパク質)

 RNAの分解・編集は、新しい病気の治療に結びつく可能性が高いのですが、これまでのCas13は分子が大きすぎて細胞内に送り届けにくかったそうです。これに対し、今回報告されたCasRxはより小さく、しかもAAVベクターと呼ばれるウイルスの機能を利用したシステムで体内にまんべんなくCasRxを送り届けることが可能になるとのことです。

 研究者は報告で、培養した脳神経細胞を用いて、アルツハイマーの原因となるtauタンパク質の状態は正常化するデモンストレーションを行っています。

Category:治療技術

 Keyword:CRISPR/Cas9/14




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