↑B
2006.10.02
脳のある部分から出るたんぱく質が食欲をコントロールしていることがわかった。このたんぱく質を薬として脳に送り届けることが出来ればダイエット薬や、メタボリックシンドロームを防ぐ薬として使用できる可能性がある。
発見したのは群馬大学の森昌朋ら、脳の視床下部(hypothalamus)は摂食活動にかかわる放出製の分子を含んでいるが今回、研究者らはnesfatin-1というたんぱく質を発見した。これはNEFA/nucleobindin2(NUCB2)に関連した機能のわからない放出性のたんぱく質であり、視床下部の摂食をコントロールする部分に見られる。NUCB2を脳内投与すると食事が減少し、ラットの脳脊髄(cerebrospinal)液にはNUCB2のアミノ末端断片であるnesfatin-1が含まれており、この量は飢餓状態で減少する。
nesfatin-1を脳内投与すると濃度依存的に食事の量が減り、nesfatin-1の中和抗体の投与は食欲を増進する。
NUCB2の中でもnesfatin-1以外の他の断片はこのような機能を持たず、NUCB2そのものも効果がない。
持続的にnesfatin-1を10日間投与すると食事の量は2/3に減少し体重が減少し皮下脂肪が20%減少する一方、筋肉は減少していなかった。一方、NUCB2遺伝子に対するアンチセンスを持続的に投与すると体重が増加する。nesfatin-1による食欲不振(anorexia)はleptin受容体に変異のあるZuckerラットでも起こり、またnesfatin-1抗体はレプチンにより誘導した食欲抑制を抑制しない。
しかし、α-melanocyte刺激ホルモンはNUCB2遺伝子の発現を増やし、nesfatin-1による食欲抑制はmelanocortin-3/4レセプターのアンタゴニストで回復する。すなわち、nesfatin-1は食欲を満たすホルモンであり。視床下部のmelanocortinシグナルにかかわる分子であるといえる。
Category:ダイエット・メタボリックシンドローム
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(leptin)
脂肪組織から分泌される善玉ホルモンの1つ
脳の視床下部に働き食欲を抑える働きがある。正常な状態では体の中に存在する脂肪の量に応じた量が血液中に存在すると言われる。
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