睡眠が断片化され、レム睡眠が充分にとれないと記憶に問題が起こる
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2007.01.05

睡眠が断片化され、レム睡眠が充分にとれないと記憶に問題が起こる

発表者はハーバード大学のTartar JLら
睡眠の断続化(sleep fragmentation)は多くの障害で現れる症状で認識(cognitive)障害につながる。睡眠の断続化が記憶障害にどのようにつながるかを調べるために、ラットを2分おきに30秒間のゆっくり動くトレッドミルで起こす(SI)という実験を行った。

この実験を始めて1時間ののちに、ラットは90秒間間隔でトレッドミルが動いていない時に眠り始めた。ノンレム睡眠(NREM: non-rapid eye movement sleep)の合計時間は24時間経過しても変化は無かった。しかしREM睡眠の時間が劇的に減少していき、起きている時間が長くなっていった。これらのラットは記憶の確立を表わす海馬のLTP(long-term potentiation)は24時間以上睡眠を断続化させたラットでは起こらなかった。そして24時間の睡眠断続は水中迷路試験での空間記憶を障害した。24時間の睡眠の断続化をしたラットに事前に血中のCORT(corticosterone)を上昇させていおくとLTPは増強された。

これに対し30分間の静止状態のあとに10分間動くトレッドミルに入れたラット(比較的まとまった睡眠がとれる)はLTPは正常であり、長期抑圧(LTD:long-term depression)とPPF(paired-pulse facilitation)は変わらなかった。

これらの結果は睡眠の断続化が空間記憶に悪影響を与えることを示している。海馬のCA1領域でのNMDA(N-methyl-D-aspartate)受容体の問題がこれらの障害を引き起こす原因のひとつかも知れない。

※PPF(paired-pulse facilitation)とは神経細胞に2回短い間隔で刺激を与えて1回目の刺激と2回目の刺激での反応の大きさが大きくなるのをPPFという、小さくなることはpaired-pulse depresion(PPD)と呼ぶ、シナプスの伝達効率が悪い時にPPFが起こり、良い時にPPDが起こる。

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