他人が運動している映像をビデオで見ることが脳梗塞(脳卒中)の良いリハビリになる (カテゴリー:脳・中枢神経・神経)


2013/06/14

他人が運動している映像をビデオで見ることが脳梗塞(脳卒中)の良いリハビリになる

 脳梗塞(脳卒中)は脳の一部の血流が途絶えてしまう病気です。脳梗塞が起こると血流が途絶えた部分の神経がダメージを受け機能しなくなってしまいます。

 幸いなことに脳には「可塑性」という作用があり周囲に存在する神経がダメージを受けた神経の機能を補って機能を回復させてくれますが、可塑性を発揮させるためにはダメージを受けた部分の周囲の神経を活性化させる必要があります。これが「リハビリ」です。

 リハビリは、例えば脳梗塞で歩けなくなった人が歩けるようにトレーニングするには、補助具や人の補助のサポートを受け実際に歩いてみる必要があります。歩く行為をすることで、脳の歩く行為に関わる神経を活性化させることが出来ます。しかしこの行為は歩けないのに歩くトレーニングをするわけで、大変な苦労をすることになります。また、脳の可塑性により機能を回復させるという行為は脳の神経接続をつなぎ直す行為であり、何度も何度も繰り返しリハビリを行う必要がありました。

 今回、アメリカ・エール大学の研究者Carolee Joyce Winsteinらは、実際に身体を動かしてリハビリしなくても、他人がその行為をしている映像を見るだけでリハビリをしている時と同じように脳が活性化しリハビリ効果があることを発見しました。

 研究は脳梗塞患者12名と健常者12名のボランティアに参加してもらい、脳の活動状態をリアルタイムで知ることの出来る装置fMRIを用いて脳のどの部分が活動しているのか調べることで行われました。

 健常者に「ペンを持ち上げる」動作をしてもらうと、その動作に必要な脳の部分が活性化することをfMRIで確認することが出来ましたが、脳梗塞による障害でペンを持ち上げることが出来なくなった人に、他人がペンを持ち上げている映像を見せたところ、健常者がペンを持ち上げているのと同じ部分が活性化していることが分かりました。まさに「ペンを持ち上げる」というリハビリをしているのと同じ効果がビデオを見るだけで得られていることになります。

 不思議なことに、映像を見た時の活性化は健常者よりも脳梗塞患者で強く起こることが分かりました。この現象を利用しリハビリ用のビデオを作り繰り返し見ることでリハビリ効果を高められることが期待されます。

Category:脳・中枢神経・神経

 Keyword:【脳梗塞(9)】 【脳卒中(4)】 【リハビリ(3)】



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