気密性の高い家は屋内のラドンガス濃度が高まりやすく肺ガンになりやすくなる
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2014.01.21

気密性の高い家は屋内のラドンガス濃度が高まりやすく肺ガンになりやすくなる

 日本で「ラドンガス」というと温泉の沸く地域でお湯とともに発生する放射線を発するガスで身体に良い効果が知られていますが、世界的には肺ガンの原因になっていることが問題視されています。

ラドンガスは温泉が沸く地域でなくても地面から微量ずつ発生していることが知られていますが、これが家の床を通して室内に入り高濃度で溜まり、試算ではアメリカだけでも1年間に21000人がラドンガスが原因で肺ガンになり死亡していることになるそうです。

 家の中のラドン濃度が高いほど肺ガンを発生しやすいという相関関係も確認されています。家の中のラドンガス濃度は、建物が建っている場所(場所によって地面から発生する量は大きく異なる)構造家の気密性がどれぐらい高いか、換気をどれぐらいの頻度で行っているかなどの影響を受けます。

 家の気密性を上げた場合のラドンガス濃度の変化に関して調べた研究もイギリスの研究はにより報告されていますが、その研究によると部屋の気密性を高めることでラドンガス濃度が21.2Bq/m3(1立方メートルあたり21.2ベクレル)から、33.2Bq/m3と56.6%上昇するとのことです。驚くべき事に、この数字はイギリスにある家全ての気密性を高めるだけで毎年278人が新たに肺ガンで死ぬことを意味します。

 WHO(世界保険機構)では100Bq/m3、欧州医薬局では150Bq/m3以上のラドンガス濃度の家には対策をとることが必要と報告しています。日本の国立保険医療科学院の調査では日本においても100Bq/m3を超える家が1000軒に1軒程度存在すると報告しています。また、最近は気密性の高い家が増えてきておりラドン濃度の高い家はもっと多い可能性もあります。

 近年のエコロジー・温室効果ガス削減の流れで気密性が高い家が好まれますが、このような家に住む場合はしっかり換気を行うことが重要といえます。研究者は換気により増える光熱費は死亡率を考えるとコストパフォーマンスの良い出費であると言ってます。

 ラドンガスの測定装置は3万円以下で販売されており、自分で測定することも出来るようです。


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