嫌な事があった日は徹夜すると嫌な気分が緩和しトラウマになりにくい。という研究結果
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2012.08.15

嫌な事があった日は徹夜すると嫌な気分が緩和しトラウマになりにくい。という研究結果

 これまでの研究で、睡眠、特にレム睡眠が記憶の定着に重要な役割を果たしている事が明らかになっている(本サイトでもいくつか紹介している)が、睡眠が脳に定着させる記憶内容は「勉強した内容」にとどまらず「感情的な記憶」も同様のようだ。今回、アメリカMITの研究者らはトラウマやPTSDの原因となる「負の感情を生じさせる記憶」さえも睡眠により記憶に残りやすくなっている事実を実験により報告している。

 研究者らは女性68名、男性38名、合計106人の健康なボランティアを雇って実験を行った(年齢18〜30歳)。ボランティアは画面に次々に表示される様々な写真(犯罪現場や精神を揺さぶられるような内容の写真を含む)を見せられ、その写真に対して、「どのぐらい悲しみを感じるか」「どのぐらい喜びを感じるか」を1〜9のランクで選択してもらった。そして12時間後に、既に見たことのある写真を含む様々な写真を再度見せて、絵を見たことにより感じた感情をもう一度1〜9でランク付けしてもらい12時間前の感情がどのぐらい残っているかを調べた。

 最初のテストと2回目のテストの間の12時間はボランティアを2つのグループに分け、第1グループはずっと起きていてもらい、第2グループはぐっすりと寝てもらった。寝てもらったグループのボランティアは睡眠時の「REN睡眠(レム睡眠)」の長さを測定した。この12時間の実験は人体のサーカディアンリズムの影響も考えて、朝や夜など様々な時間帯に繰り返し行った。

第1グループテスト→12時間(寝ない)→テスト
第2グループテスト→12時間(睡眠)→テスト

 ボランティア全員の実験結果を集計したところ、睡眠をしっかりとった第2グループの方が12時間前の事をよく覚え認識していたが、同様に気持ちをかき乱されるような絵を目撃した時の感情やトラウマになりそうな絵を見た時の感情もはっきりと記憶に残っていることが分かった。そしてこれと比較すると、寝ずに起きていた第1グループではその感情は弱まっていることが分かった。睡眠をとったグループでは「フラッシュバック」的な感情も大きかった。

 また、睡眠をとったグループの中で睡眠中のREM睡眠の長さ感情的な記憶の残存度を比較したところ、REM睡眠が長いほど感情的な記憶がよく残っていることが分かった。以前よりREM睡眠中に記憶が定着される事は分かっていたが、負の感情の記憶も同様にREM睡眠中に脳に定着されるようだ。

 研究者らは、原始の世界では嫌な記憶やトラウマになりそうな記憶というのは過酷な環境で生き抜くために重要な記憶であり、嫌な記憶でさえも睡眠によりしっかりと記憶に残るようなメカニズムになっているんだろうと考えている。そして、これらのメカニズムは現代の世の中ではトラウマやPTSDを軽減するのに役立つ可能性があると考えている。

これらの研究をふまえると「嫌な事があった日はさっさと寝てしまえ」ってのは逆効果かもしれない。ちなみに大量に飲酒すると寝付きはよくなるがREM睡眠が減ることが報告されており、大酒飲んで寝てしまうのは効果があるかもしれない。少量のアルコールはREM睡眠の全体量は減らさないと報告されている。

Category:睡眠

 Keyword:PTSD/7




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