脳の活動状態を見ながら行う最先端の脳トレ「ニューロフィードバック」により特定の脳機能を強化したり精神疾患の治療が可能
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2013.01.28

脳の活動状態を見ながら行う最先端の脳トレ「ニューロフィードバック」により特定の脳機能を強化したり精神疾患の治療が可能

 脳の活動状態をチェック出来る状態でトレーニングを行うことで脳の活動を自らの意志で制御可能であることが報告されています。この技術はNeurofeedback(ニューロフィードバック)と呼ばれ精神疾患や発達障害のある子供の治療トレーニングに応用しようとする研究が始まっています(参考ページ参照)。ある発達障害では脳の特定部分の活動が弱いことが原因と分かっているため、その部分の活性化が治療につながると考えられるためです。

 今回、イギリス・ロンドン大学の研究者らはこのニューロフィードバック技術を用いて健康な大人の視覚認識能力を向上可能であることを報告しています。

 研究者らは脳の活動を映像として映し出すことが出来る医療装置MRIを使用し、ボランティアとして雇った人の脳活動をリアルタイムでディスプレイに表示させ、そのディスプレイを見ながら脳内の視覚認識能力(見た物を判断する能力)を司る部分の活動を自在にコントロール出来るようにトレーニングしてもらいました。

 トレーニングの後、視覚認識能力のテスト(見ている映像が一部変わったかどうかを判断するテストなど)を行いトレーニング前後の視覚認識能力を比べたところ、ニューロフィードバックトレーニングを行った人で視覚認識能力が向上していることが分かりました。能力向上は視覚認識に関係ある部分をトレーニングした人のみに見られ、視覚とは関係無い部分のトレーニングを行った人では効果はありませんでした。

 この結果はニューロフィードバックを使って特定の能力を向上させることが出来ることを示しています。

 ニューロフィードバックのトレーニングにより生じた脳の変化はトレーニング後も長く持続することが報告されています。今回の実験はMRIという巨大で高価な装置を使っているため個人で簡単に出来る方法ではありませんが、脳に電極を付けるだけで読み取れる脳波頭の表面の血流の流れなど簡単な装置で検出出来るシグナルを使ってトレーニングを行う方法も検討されており、近い将来ニューロフィードバック技術を利用した脳のトレーニング装置が登場するかもしれません。また、これらのトレーニング技術は脳梗塞を起こし脳の一部の機能が衰えた患者さんのリハビリ方法としても注目されています。

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 Keyword:脳梗塞/9 リハビリ/4




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