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2014.04.23
睡眠薬「マイスリー」(薬物名:ゾルピデム)を飲み昼寝をすると言語記憶が向上する
睡眠には浅い睡眠で知られるレム睡眠や深い睡眠で知られるノンレム睡眠があります。睡眠が記憶のメカニズムに重要な役割を担っていることは広く知られるようになりましたが、レム睡眠やノンレム睡眠のどちらが関与しているのはよく分かっていません。
今回、アメリカ・カリフォルニア・リバーサイド大学の研究者Mednick SCらは49人のボランティア(18歳〜39歳の男女)に一般的な睡眠薬(製品名:マイスリー)を飲み昼寝をしてもらう実験を行いました。
この睡眠薬は睡眠紡錘波(すいみんぼうすいは/Sleep spindle)という脳波を減らすことが報告されており、これはノンレム睡眠を増やし、レム睡眠を減らす事を意味しています。
睡眠薬を飲んで昼寝をしてもらった後、様々な知能テストを行ったところ、睡眠薬を飲んだ場合は言語記憶(verbal memory)が向上することが分かりました。一方で知覚学習(Perceptual learning)が悪くなっていました。運動記憶(motor learning)は影響を受けませんでした。
「言語記憶」は寝る前に覚えさせた単語のペアを覚えているかどうかというテストでチェックされる記憶力です。「知覚学習」はいわゆる「学習能力」に当たります。たとえば、「画面が赤になったらAのボタンを押す」などといった学習能力です。「運動記憶」は言われた通りに指を動かすような能力です。
今回の研究は睡眠紡錘波が出るようなノンレム睡眠の量が言語記憶に関与しており、一方でレム睡眠中に知覚学習能力が鍛えられていることを示しています。睡眠薬は単に睡眠を誘導するだけでなく通常とは異なる睡眠を誘導し、学習能力に影響を与えているようです。
Category:睡眠
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