↑B
2017.09.14
老化してるのは卵子じゃなくて子宮だった。老齢マウスの胎児を若いマウスの子宮に移植するとリスク無く育つ
※まじめに忠告しますが、非常に嫌な表現が出てきますので、自分もしくはパートナーが妊娠中、今後妊娠の可能性がある人は読む価値はありませんし、読むべきではない研究です。
母体の年齢は出産の成功に対するリスクであることはよく知られています。年齢があがってから受精した胎児は染色体異常を引き起こして妊娠初期の流産につながるからです。今回、研究者らは妊娠中盤移行の流産、死産につながる原因をマウスを使って分析しています。
母マウスの年齢上昇とともに、胎児の異常が増加し、生存率が低下しましたが、
出典:Decidualisation and placentation defects are a major cause of age-related reproductive decline.Nat Commun. 2017 Sep 5;8(1):352. PMID:28874785マウスの妊娠E11.5(人間でいう妊娠40日目程度)の胎児の様子。
老化したマウスの胎児を若いマウスの子宮に移植すると、胎児の異常率は低下し状況が改善しました。
出典:Decidualisation and placentation defects are a major cause of age-related reproductive decline.Nat Commun. 2017 Sep 5;8(1):352. PMID:28874785(同E11.5の時期の胎児の様子)
これは若いマウスの子宮細胞が老化したマウスの子宮細胞よりも1.5倍よく増殖すること、免疫細胞の数が若いマウスの方が多いこと、妊娠の維持に関わるホルモンに対する応答性が老化に伴い低下することが原因と考えられます。
ちなみに今回の実験で使った老化したマウスの年齢は生後10ヶ月〜1年とのこと。普通に飼育すると生後半年ぐらいから子供はなかなか生まれなくなりますのでかなりの高齢マウスということになります。
この研究はマウスでの話で、人間に当てはまるかどうかは不明です。もし人間に当てはまったとしても今のところ何の解決にもならない研究ですが、原因がはっきりしたことで、高齢でも問題なく出産出来るようにする薬の開発は可能かもしれません。
Category:#性・生殖・出産
コメント
いいっすね!=339
001 [09.15 15:50]unknown@Ucom:卵子が老化していないのならば、assisted hatchingは不要なのでしょうか。加齢による透明帯の肥厚や硬化は一般的に認知されていると理解していましたが「老化してるのは卵子だけじゃなくて子宮もだった。」ではないのかな。 ↑(120)
002 [09.15 16:27]人間にもし当てはまるのなら:子どものできない夫婦がとる対策として他人の卵子使った体外受精ではリスクは変わらない、(若い)代理母の方がリスク軽減できるって事かな。代理母からってのは日本人的には避けられるラインだと思うんだけど、不妊ビジネス市場が縮小するかな ↑(117)
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