中年以降に放射線を浴びて癌になる確率は、これまで考えられていたより高い
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2010.10.26

中年以降に放射線を浴びて癌になる確率は、これまで考えられていたより高い

これまで動物モデルを用いた研究では癌になるリスクは中年以降に浴びた場合よりも若年で浴びた場合の方が大きいと報告されてきた。しかし、日本の原爆患者の研究ではこれらの差は見られず、動物モデルとの違いは不明であった。

 今回、Columbia Univertsity in New YorkのDabvid J. Brennerらは日本の原爆患者らを調査して被爆した年齢と癌になるリスクを再検討した。放射線により癌になる原因は2つ考えられる。

1つめの要因は細胞分裂が盛んな若年層で高いため、従来は若い時に放射線を浴びた時のリスクは中年以降に浴びた人より高いと考えられてきた。しかし中年以降の人の体内にはすでに前癌状態の細胞が多数あるため、2番目の要因を受けやすいため若年と同様のリスクがあることが分かったそうだ。
 最近の研究で癌患者の2%がCT検診が原因で癌になった(nikkei)というショッキングな報告がなされている。CTはX線を使い体内の様子を立体的に可視化出来るがこの測定により単純なX線撮影の1000倍の被爆が生じる。(胸部単純X線検査(前後方向)が0.01mSv、腹部CT検査は10mSv)。今回の研究結果をふまえ、中年以降で受けるCT検診などで癌になるリスクにも注意を払う必要があると言える。

  • 原文(Cancer Risks After Radiation Exposure in Middle Age,JNCI J Natl Cancer Inst (2010) doi: 10.1093/jnci/djq346)
  • EurekAlert(Risk of cancer due to radiation exposure in middle age may be higher than previously estimated)

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