大塚製薬グループ、再生医療ベンチャーLiving Cell Technologies社に出資、ブタ細胞を用いた糖尿病治療用カプセルの販売を目指す
カテゴリー:人工すい臓・糖尿病(記事数:23)

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2011.07.28

大塚製薬グループ、再生医療ベンチャーLiving Cell Technologies社に出資、ブタ細胞を用いた糖尿病治療用カプセルの販売を目指す

 大塚製薬の所属する大塚ホールディングスは、ニュージーランドの再生医療ベンチャーLiving Cell Technologies社の株(およそ2億5千万円分)を取得し同社の株式8.2%を保有したと発表しました。また、中国、日本を除くアジア地域でのDIABECELLの開発・販売権を得るための独占交渉権を取得したと報道されました。これに先立ち、大塚製薬は同社と共同でDIABECELLの共同開発を進めていくことを発表しています。

 Living Cell Technologies社はブタの細胞を特殊なゲルカプセルに包んで人間に移植出来る技術を持っている会社です。今回、大塚製薬グループが権利を獲得したのは、ブタのすい臓細胞をカプセル化し、人間に移植出来るようにした「DIABECELL」です。カプセル内のブタのすい臓細胞は、血糖値が上昇すると普通のすい臓細胞と同様にインスリンを出すことが出来ますので、インスリン分泌が足りなくなる糖尿病の治療に用いることが出来ます。このカプセル内のすい臓細胞は場合によっては移植後も10年以上も生存することがあるそうです(1)。

 DIABECELLの開発に関しては、2009年のニュースでニュージーランドで8名の?T型糖尿病患者に移植する臨床試験を行ったことが報道されています。結果は良好で、患者によっては1日に必要なインスリン投与量が40%減少した患者や、移植から一ヶ月後にインスリンの投与が必要無くなった患者もいるそうです。そして、2010年にロシアで販売承認を受けています。

 Living Cell Technologies社はすい臓細胞をカプセル化したDIABECELLの他に、パーキンソン病・ハンチントン病・脳梗塞(stroke)・難聴(hearing loss)の治療に効果のあるサイトカイン「NGF(神経成長因子)」を放出する細胞がカプセル化さされたNTCELLも開発しています。これらの細胞のカプセル化技術を、彼らはIMMUPELと呼んでいます。

 これらのカプセルにはブタの細胞が含まれていますが、カプセルを構成するアルギン酸ゲルには特殊な加工が施してあり、移植された後にも、人間の免疫細胞がカプセル内に進入出来ないため、移植後に免疫抑制剤は必要ありません。

 Living Cell Technologies社はブタ細胞などの異種細胞移植による治療を行うベンチャーとして世界で最先端を行く企業です。日本の企業がこのような時代を先取る企業といち早く連携を構築しているのは珍しく、注目しています。

1.Live encapsulated porcine islets from a type 1 diabetic patient 9.5 yr after xenotransplantation
Volume 14, Issue 2, pages 157–161

Category:人工すい臓・糖尿病

 Keyword:脳梗塞/9 免疫抑制剤/12




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