不規則な時間にだらだら食べるより、規則正しい時間に高カロリーをとった方が太らない
カテゴリー:ダイエット・メタボリックシンドローム(記事数:96)

↑B

2012.11.19

不規則な時間にだらだら食べるより、規則正しい時間に高カロリーをとった方が太らない

 イスラエル・ヘブライ大学の研究者がマウスを使った実験を行い、同じだけのカロリーをとるなら不規則な食生活を送りダラダラと食べるよりも、毎日決まった時間に高カロリーの食事をとった方が体重が増えないという結果を発表していています。

 これまでの研究において太るのは2つの生活習慣が原因と分かっています。1つは「食べ過ぎること」であり、もう一つは「不規則な食生活を送ること」です。前者の食べ過ぎが肥満につながるのは当然と言えますが、後者には「体内時計」が関わっています。

 多くの動物には「体内時計」という仕組みがあり、規則正しい生活を送っている場合は食事を食べるタイミングに合わせて身体が食物を効率良くエネルギーに変換出来る状態になるのですが、不規則な食生活では、体内時計が狂い食べたものを効率よくエネルギーに変換出来ず脂肪として貯め込んでしまうことが分かっています。

 研究者らはマウスを4つのグループに分け、それぞれ異なった状況に置きました。

食事の種類何時食べることが出来るか18週間後の体重増加
グループA高カロリー食いつでも→→→もっとも増加(=100%)
グループB高カロリー食決まった時間のみ→→→82%
グループC低カロリー食いつでも→→→Bより70%
グループD低カロリー食決まった時間のみ→→→

 このような条件でマウスをおよそ4ヶ月間飼育し、その後に体重を含め様々な検査をしました。もっとも体重が増えていたのは高カロリーの食事を自由に食べることが出来たグループAのマウスでした(当然です)。そして、グループBの決まった時間にのみ食べれるマウスはグループAと比較して体重が18%軽く、血中のコレステロールも30%低い値を示しました(まあ食べる量が減った分、これも当然です)

 そして驚くべきことに、グループCのマウスは低カロリー食ながら自由な時間に食べることが出来たため結果的にグループBと同じだけのカロリーを摂取していましたが、同じカロリーを食べたにもかかわらずグループBよりも12%体重が増加していました。また、血中コレステロールも21%高い値を示しました。

 さらにグループBのマウスは、どれぐらいストレスを感じているかも示す血中のホルモン「グレリン」の量がグループCのマウスに比べて25%少なく、体内の炎症を示すコルチコステロンの値も53%低い結果を示しました。これらの結果はグループBのマウスは満足した生活を送りつつ体重増加を抑えることに成功していることを示しています。

 日常生活で食事制限をするとストレスを感じ、このストレスが原因となりダイエットが長続きしなかったりします。今回の結果は、ダイエットをする時には「食べる量」以上に「規則正しい生活」に気を配ることが重要であることを示しています。

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム




コメント

いいっすね!=8

名前 コメント(※改行は省略されます)

※3回以上の連続書き込み不可
この記事のアクセス数:550 ↑B
[RSS]


■■ このカテゴリーのその他の記事■■
2025.01.31GLP-1に続く新たなダイエットホルモンが発見される。RCN2(reticulocalbin-2)が切断されて出来るその名もラプチン(raptin)
2024.12.03一度太ると脂肪細胞は太っていた時の情報をエピゲノム(DNA修飾)に保存し維持するのでリバウンドは必然(Nature 2024年11月報告)12コメ
2024.11.11ダイエット目的で葛根(カッコン)を1か月毎日1グラム飲んでみた結果。思わぬ副作用が・・・生薬ってすごい。60コメ
2024.10.29海外で人気のダイエット薬(GLP-1受容体作動薬)が筋肉量を減少させる副作用が報告され懸念の声29コメ
2024.10.08[[葛根]]([[カッコン]])ダイエット実験中(Phase I)【良い子は真似しないように】67コメ
2024.09.18漢方薬「葛根(カッコン)」に含まれるプエラリン(puerarin)が腸の微絨毛を減らし脂肪の吸収を減らし体重を減らす91コメ
2024.02.22話題の次世代ダイエット薬は飲むのを止めるとすっかり元通りの体重に。との臨床試験追跡結果(2024年2月報告)1コメ
2022.12.01ダイエット薬「オルリスタット」が日本で承認、いきなり薬局で購入可能に。公共トイレが悲惨なことに?3コメ
2022.07.22男だけが夏に食欲が増している事実が見つかり理由が解明される。ヒフの脂肪細胞がグレリンを生成10コメ
2022.05.10週1回注射で食事を減らすことなく体重を20%以上減らす減量注射薬「Tirzepatide」がもうすぐ米国で承認19コメ

■■他サイトの関連記事(自動)■■
体内時計
体内時計
2025/03/07 06:52:名大、朝食・活動なしで内臓脂肪型肥満 体内時計に乱れ(日刊工業新聞 電子版)
2025/02/21 15:00:「確実に朝起きられる目覚ましアプリ」5選(ギズモード・ジャパン)
2024/12/20 07:12:九大、体内時計の乱れに性差 シフト勤務・時差ぼけなど健康管理へ応用期待(日刊工業新聞 電子版)
2024/12/14 18:34:ネコは飼い主の声を聞き分ける? 生き物の3つの不思議なはなし(ギズモード・ジャパン)
2024/11/14 18:12:「体内時計」と「ローグライク」が合体!『Clock Rogue』は独特すぎるコンセプトを上手く実現した良作だった【デジゲー博】(電ファミニコゲーマー ? ゲームの面白い記事読んでみない?)
グレリン
グレリン
2024/08/30 11:32:ラクオリア創薬---大幅続伸、導出したグレリン受容体作動薬Eluracatがフランスで発売開始、一時金受領が確定 - 最新株式ニュース(ザイ・オンライントップ)
2022/08/14 17:34:[医学] 単球が作るグレリンがレプチンの働きを抑えて皮膚感染後の傷の治癒を促す(BioToday.com [新着ニュース])
2022/07/22 20:44:男だけが夏に食欲が増している事実が見つかり理由が解明される。ヒフの脂肪細胞がグレリンを生成(Amrit不老不死ラボ)
2021/03/21 14:10:[医学] グレリンが多い健康な女性は後の多額より少額をすぐに手にするほうを選びがち(BioToday.com [新着ニュース])
2020/10/09 17:18:[企業] Allerganが糖尿病性胃不全麻痺へのグレリン活性化剤の第3相試験中止(BioToday.com [新着ニュース])
(Ghrelin)
「空腹ホルモン」と呼ばれ、空腹時に消化管の細胞で作られ、脳に到達すると食欲を刺激する。
他に、胸腺細胞の活性化機構が報告されている。
wikipedia


■■ 最近アクセス数の多い記事 ■■
●2025.02.21:三重大学がCRISPR-Cas9技術で特定の染色体を最大37.5%の効率で細胞から除去する技術(遺伝子・バイオインフォマティクス)118access
●2025.01.29:精子には男性が幼少期に経験したストレスの痕跡が残っており子供に影響するという研究結果(遺伝子・バイオインフォマティクス)111access
●2024.10.02:サンフランシスコで開催された「DON'T DIE」(不老不死)サミットと主催者Bryan Johnson(#アンチエイジングを目指す企業)110access
●2022.11.02:アンチエイジング薬を開発するユニティー社(UNITY Biotechnology)の2番手の開発薬UBX1325のPh-II試験で糖尿病性黄斑浮腫患者の視力回復傾向が報告される(#アンチエイジングを目指す企業)109access
●2020.09.02:知能発達途中の学生(8-10歳)に脳のワーキングメモリー拡大に効果のあるNバック課題(N-back task)をやらせた研究結果(#知能改善・天才になる方法)108access

すべて見る