カテゴリー:大塚製薬の「おやすみ乳飲料ネムー」が本当に眠くなるか確認 特集記事 TW↑B

眠くなるか科学的に検証してみました(大塚製薬の「おやすみ乳飲料ネムー」)



睡眠障害の原因の一つは睡眠時に体内のメラトニン量が足りないため
メラトニンを多く含むミルク「ネムー」
販売時の騒動
ほんとうに眠くなるのか?
ネムーの店頭販売のおねえさんをいぢめてみた(笑)
用語:メラトニン
フィンランド「ナイトミルク社」
ネムーのその他の特徴
成分
リンク


睡眠障害の原因の一つは睡眠時に体内のメラトニン量が足りないため

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現在、日本では5人に一人が睡眠障害を持つと言われる。2004年3月にエスエス製薬から発売された日本初の薬局で買える睡眠改善薬ドリエル」は販売一ヶ月で年間販売目標の6億円を突破、大ヒットとなっている事などが報道され、この問題に悩む人が多いことを物語っている。

私たち人間の体は夜になるとメラトニンが作り出され眠くなるような仕組みになっている。現在、世間には「不眠」?などの睡眠障害に悩む人が多くいるが、これらの人達の中にはこのメラトニンが夜間増加しないことが原因でうまく眠れない人も多いのだ。

このメラトニンに関する研究はよく行われており、このホルモンが血圧脈拍を落ち着かせ睡眠を誘導させるいわば「睡眠ホルモン」として働くことがよく知られている。このため、このメラトニンは口から補給する事でも効果を発揮し体内のメラトニン量を増やし眠気を誘導出来ることが研究者らによって報告されている。実際、アメリカなどでは手軽にメラトニンのサプリメントを購入する事が出来る。そして良いことに、メラトニンは本来から体内に存在する物質であるため、かなり大量に摂取してもほとんど副作用が無いことも知られているのだ。

 Keyword:睡眠/156


メラトニンを多く含むミルク「ネムー」

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しかしサプリメントなどを飲まなくても、もっと自然で安全な方法でメラトニンを多く含む食物を摂取する方法がある。それが今回、大塚製薬が販売したおやすみ乳飲料ネムー(nemu)なのである。人の体では24時間サイクルで体内のメラトニン量が増加し、睡眠へと誘導されるが、これはも同じである。牛も夜の方が体内に多くのメラトニンが存在しており、そしてここが重要なのだが夜しぼったミルクの方が大量のメラトニンを含んでいるのである

これは何も大塚製薬がでっちあげた事では無く、よく知られている現象である。フィンランドのナイトミルク社などではネムーが発売されるずっと前から 夜しぼったミルクを販売しており、高値でよく売れているそうである。

今回、大塚製薬も夜間にミルクをしぼるためにナイトミルク社と技術提携している。


販売時の騒動

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この商品は最初、2003年9月9日に発売される予定だったが、この「メラトニンが多く含まれ快眠が誘導される」という宣伝文句に政府よりクレームがつき、いったん販売開始が延期された。

日本の法律ではこのように食品「効能がある」と宣伝してはいけない事になっている。効能があるのは医薬品と判断されるからである。日本で医薬品として販売するには膨大なお金のかかる臨床試験?を行わなければならず結局、大塚製薬は販売文句の中から「メラトニン」の文字をはずし同年11月11日に発売された。しかし名前もキャッチフレーズも「おやすみ乳飲料ネムー」のままだし、確信犯的とも言えなくもない。


ほんとうに眠くなるのか?

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まず飲んでみた感想であるが、ネムーを電子レンジにかけ(ネムーは直接電子レンジで暖めることが出来るのだ)寝る前に飲んでみたが、あっという間に眠くなった(笑)

暖かいミルクというのはそれ自体かなり眠くなる飲み物であると私自身は思うが、ここでは普通のホットミルクに比べネムーがどれぐらい睡眠を誘導できるかを考えてみたい。

牛のミルク中のメラトニン量に関して研究を行ったヘルシンキ大学の研究者らの学術論文 Diunal rhythm of melatonin in bovine milk: pharmacokinetics of exogenous melatonin in lactating cows and goats( Acta Vet Scand. 1998;39(3):301-10)によると、ある条件の牛では昼間にしぼったミルク中のメラトニン量が7pg/ml、夜間が15pg/ml。また別の条件では昼間が12pg/ml、夜間が26pg/mlであったそうだ。すなわち、ほとんどの牛では、夜間にしぼったミルクは昼間ミルクに比べ2倍のメラトニンが含まれている事がわかる。

これらの実験は研究者が普通に夜間にしぼったものであろうから絞りやすくするため電気をつけて明るくしてしぼっている事を十分考えられる。これに対し大塚製薬が技術提携をおこなったフィンランドのナイトミルク社は暗いままミルクをしぼる技術を持っているそうなのである。メラトニンは目が覚めるとすぐに分解されることも知られており、ネムーにはこの数値よりもずっと多くのメラトニンが含まれる可能性はある。

次に人間がどれぐらいのメラトニンを飲むと眠くなるかに関してだが、ブラジルの研究者らの研究報告 Acute effects of low doses of melatonin on the sleep of young healthy subjects( J Pineal Res. 2001 Nov;31(4) 326-32)によると0.3mgのメラトニンのサプリメントを寝る直前に飲ませたところ、睡眠の誘導が見られたそうだ。

この実験は健康な22歳〜24歳男性のボランティアを使い、ボランティアを2つのグループに分け、片方のグループにはメラトニンサプリメントを、もう片方のグループには偽物の薬を飲ませ比較するなど、実際の薬の効果を見る場合と同じ試験方法をとっているのでかなり信頼できるといって良いだろう。すなわち、少なくとも0.3mgのメラトニンを摂取できれば睡眠を誘導できるということである。

さてネムーにはどれぐらいのメラトニンが含まれているのだろうか?最初の学術論文では夜間のミルクには15pg/mlまたは26pg/mlであったので、まあそれよりも多いと考えミルク中に30pg/mlのメラトニンが含まれていると仮定しよう。そうすると0.3mgのメラトニンを摂取するには・・・・・・・・ネムーを10リットル飲めば良いのである(笑)

「なんだ効果無いじゃん」と思った人もいるかな?ネムー1本が180mlとして、10リットルとは50倍差があるわけだが、まあ、そんなに確実な効果があったら自動車運転前に飲むのは危険だし、食品として問題ありだろう

ただ、0.3mgというのは単なるサプリメントで摂取したメラトニンの量であり、もっと少量で効く可能性が十分あるだろうし、暖かいミルクとして摂取した場合とは比べようが無いだろう個人的な考えでは、けっこう実際に効果あっても不思議は無いのでは?と思います。


ネムーの店頭販売のおねえさんをいぢめてみた(笑)

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先日、ダイエーに行ったところ、店員が全員「ネムー」のエプロンをしており、あちこちで試飲会を行うなどかなり力を入れてネムーを売ろうとしていた。そこで、俺は何も知らぬフリをして「これって不眠とかに効果あるんですか?」とか聞いてみた。

すると事前に「効能」に関して言わないように教育を受けているのか、上手に直接的な表現は避けつつも「寝る前に良いですよ」みたいな事を言っていた。

最後に意地悪っぽく「メラトニンに関しては言わないように言われているんですか?」と聞いたら苦笑いをしていた。売り子さんも大変だねぇ


用語:メラトニン

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ストレスやなんらかの病気により、メラトニンが正常に体内で作られなくなると睡眠障害が起きる。また、高齢になるとメラトニンを作る働きが鈍る事が知られ、お年寄りがよく眠れなくなる原因の一つと言われている。メラトニンはトリプトファン→セロトニン→メラトニンと体内でも作られている。強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑制される。最近では睡眠ホルモンとしての働きの他に抗酸化剤や免疫能力向上効果が知られ老化防止やガン予防効果が期待されている。

アメリカではサプリメントしてコンビニなどで売られている。日本では認可されていないので購入できない。

 Keyword:セロトニン/12 ストレス/32


フィンランド「ナイトミルク社」

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大塚製薬が発売したネムーはフィンランドのナイトミルク社の技術により牛から夜ミルクを絞っているそうです。フィンランドではこのメラトニンを多く含む「ナイトミルク」が好評で通常の牛乳より高い値段で取り引きされ、よくある1リットルなどのパック牛乳なども売られているそうです。フィンランドといえば白夜の国、季節により一日中昼だったり夜だったりするので睡眠障害の人も多いのでしょうか?

 Keyword:牛乳/8


ネムーのその他の特徴

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  • 生乳97%
  • キシリトールで少し甘くしてある(これも睡眠誘導に効果あるかも)
  • 賞味期限が60日
  • カップのまま電子レンジで暖めることが出来る


成分

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栄養成分:1本(180ml)当たり:
エネルギー117kcal
タンパク質5.7g
脂質6.6g
炭水化物8.8g
ナトリウム74mg
カルシウム198mg

 Keyword:炭水化物/95 カルシウム/16


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Cation!!注意:このページには動物実験などで得られた研究段階の情報が含まれています。これらはなんら、人間に適用した時の効果を保証するものではなく、これらの情報を元にとった行動によりいかなる不利益を被っても管理人は一切責任を負いません。このページの話はあくまで「情報」としてとらえてください。