→感染による腫瘍形成(17)
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2014.09.26ガンは最近治るようになってきたのか?日米の調査で明らかになった生存率の改善(1997〜2005年) /1567
2014.09.09ガンによく効くらしい世界初の抗PD-1抗体医薬(免疫制御型)「小野薬品オプジーボ(Opdivo,nivolumab)」が日本承認。年間医療費1500万円(保険適用あり) /19
2014.03.28ガン細胞の「私を食べないで」シグナルCD47をマスクする新しい治療方法開発 /1
2014.01.21気密性の高い家は屋内のラドンガス濃度が高まりやすく肺ガンになりやすくなる /7
2013.07.24アメリカで子宮頸ガン予防ワクチン(HPVワクチン)導入4年でティーンエイジャー女性のウイルス感染が56%減少 /72
2012.09.26バファリン4分の1錠を毎日飲むとガンで死ぬリスクが低下する /3
2007.10.31抗ガン作用のあるポリオウイルスを開発 /1
2007.10.31ONYX-015
2009.04.28p53タンパクを細胞内導入することでガン細胞の増殖を止めることが出来た。
2011.12.21ガンにならず長い寿命を実現する進化を成し遂げたネズミ「ハダカデバネズミ」 /14
2010.03.30癌患者の2%がCT検査による発症? /1
2010.06.18放射線応答リガンドペプチドのクリックケミストリーによる修飾とパクリタキセル吸着性ナノゲルを使った抗腫瘍DDS製剤 /3
2010.06.28ミニ細胞によるsiRNAまたは抗ガン剤デリバリー /4
2010.10.28生活習慣の修正で直腸ガンになる確率を23%下げることができる
2010.10.26中年以降に放射線を浴びて癌になる確率は、これまで考えられていたより高い /9
2009.04.02久留米大学の国内初の「がんワクチン外来」、申し込み殺到で受付1時間で受け付け終了 /5
2008.07.03白血球を使用した癌治療が臨床試験段階に
2008.08.06ビタミンC投与でがん半減 マウス実験で、米研究所 /1
2006.11.30がん転移、防御システムに便乗…東京女子医大が解明
2008.02.15精子と腫瘍は同じメカニズムで免疫細胞からの攻撃を回避している? /12
2007.11.07アガリクスの「安全性」臨床試験が開始される /2
2007.10.02ジクロロ酢酸(DCA)の臨床試験が始まったそうです。(NewScientist) /1
2007.08.20糖尿病治療薬「メトホルミン(metformin)」がガン細胞を死滅させることが出来る /317
2007.07.31安価な物質「ジクロロ酢酸」がガンを縮小させるという報告 /1
2007.07.24腫瘍細胞と正常組織をChlorotoxinを用いて見分けることが出来る /2
2007.06.18腫瘍の血管のみに発現している25個のタンパク質が見つかる /1
2007.05.01島津製作所が、がんの転移に関わるタンパク質9種類を発見(プレスリリース)
2007.03.20大腸ガンの転移に骨髄が関与、促進タンパクはCCL9(yomiuri)
2007.01.23アメリカのガンによる死者が2年連続で減少。禁煙や治療技術の向上が原因(sankei) /2
2006.12.26便秘と大腸がんは統計的に無関係 /2
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2014.09.26
ガンは最近治るようになってきたのか?日米の調査で明らかになった生存率の改善(1997?2005年)
Cancer therapy improvement in 1997-2005
日本人の2人に1人はガンになり、男性の3人に1人、女性の4人に1人はがんで亡くなっています。治療技術は進み治るようになってきているのでしょうか?日本の国立がん研究センターが1997年?2005年にガンと診断された30万人以上の統計データを発表しています。リンク先のグラフを見てもらうと分かりますが、ガンの種類により生存率に大きな違いがあるようです。
(省略されています。全文を読む)
2014.09.09
ガンによく効くらしい世界初の抗PD-1抗体医薬(免疫制御型)「小野薬品オプジーボ(Opdivo,nivolumab)」が日本承認。年間医療費1500万円(保険適用あり)
Human Anti-human PD-1 Monoclonal Antibody OPDIVO launches in Japan for Treatment of Unresectable Melanoma
免疫を制御して癌を治す新しいメカニズムの薬です。幅広いガンに効き、効果も高いことから「ゲームチェンジャー」と呼ばれ期待されている種類の薬がついに日本でも承認されました。(以前紹介しました)
今のところ1種類の皮膚ガン(メラノーマ)限定での承認ですが、自己負担の大きい「先進医療」でも無く普通に保険適用されています。保険適用前の価格は1回投与の価格は体重60kgの人でおよそ88万円です、3週間おきに投与する薬ですので1年で1500万円ぐらいですね。
(省略されています。全文を読む)
2014.03.28
ガン細胞の「私を食べないで」シグナルCD47をマスクする新しい治療方法開発
↑BTW
人体には正常に機能しなくなった細胞を除去するするための仕組みがあります。普通に考えると無限に増殖を始めたガン細胞はこの免疫の仕組みで除去されそうなものです。ガン細胞はなぜこの仕組みから逃れて体内で増殖することが出来るのでしょうか?
今回、スタンフォード大学メディカルセンターのStephen B. Willinghamらはガン細胞が免疫から逃れる仕組みを解明し、新しいガン治療の試みを動物実験で成功させています。
この治療ではCD47という細胞表面にあるタンパク質の目印を使います。この目印は体内で「私を食べちゃダメ」という意味を持っています。正常な細胞はこの目印を使って免疫細胞に攻撃されるのを防いでいますが、ガン細胞はなんと仕組みを悪用し、CD47を大量に持つことで免疫細胞に攻撃されなくなっていることが分かりました。
(省略されています。全文を読む)
2014.01.21
気密性の高い家は屋内のラドンガス濃度が高まりやすく肺ガンになりやすくなる
↑BTW 日本で「ラドンガス」というと温泉の沸く地域でお湯とともに発生する放射線を発するガスで身体に良い効果が知られていますが、世界的には肺ガンの原因になっていることが問題視されています。
ラドンガスは温泉が沸く地域でなくても地面から微量ずつ発生していることが知られていますが、これが家の床を通して室内に入り高濃度で溜まり、試算ではアメリカだけでも1年間に21000人がラドンガスが原因で肺ガンになり死亡していることになるそうです。
(省略されています。全文を読む)
Keyword:放射線/12
2013.07.24
アメリカで子宮頸ガン予防ワクチン(HPVワクチン)導入4年でティーンエイジャー女性のウイルス感染が56%減少
↑BTW 日本で最近接種が始まった子宮頸ガン予防ワクチン(HPVワクチン)はアメリカでは既に11?12歳の少女を対象に2006年に接種が始まっています。
HPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)は子宮頸ガンを発症した女性のほとんどが感染しており、感染を防ぐことで子宮頸ガンを予防することが出来ると考えられています。日本では年間およそ1万人弱が子宮頸ガンを発症しています。
今回、米アトランタ疾病予防センターのLauri E. Markowitzらが、この2006年のワクチン接種後で社会全体でどれぐらいウイルス感染者数が減ったのかを大規模に調べ報告しています。研究者らはワクチン接種が無かった2003-2006年の世代と、ワクチン接種が始まった後の2007-2010年の世代の女性をそれぞれ4200人ずつ調べ、世代毎にウイルス感染割合を調べました。
(省略されています。全文を読む)
2012.09.26
↑BTW
アスピリン(日本ではバファリンという名前で売られている)は「アセチルサリチル酸」という名前の薬物が含まれ、この成分の熱を下げ痛みを和らげる効果により解熱鎮痛剤として通常は使用されています。近年、この成分にガンで死ぬ確率を低下させる効果があることが報告されました。2011年にイギリスの研究グループが人間への効果に関する大規模な研究結果を行い、「人間においても死のリスクを低下させる」と報告したのに続き、今年新たにアメリカの研究グループが結果を報告し、イギリスのグループの報告よりも少し効果は低いものの確かにアスピリンにそのような効果があると結論づけています。
(省略されています。全文を読む)
2007.10.31
↑BTW
発表したのはカリフォルニア、スタンフォード大学の研究者ら
ガン細胞依存的に増殖するウイルス(virotherapeutic)が新しいガン治療法として開発されてきた。しかし、静脈投与で腫瘍に到達させるための技術が不十分であった。
今回、研究者らはJX-963という改良ウイルスを報告している。研究者等はまず静脈投与後に腫瘍に集積するポックスウイルスを見つけ出した。次のこのウイルスを遺伝子工学的に改良し転写因子E2FとEGFR経路を活性化させた。次に細胞傷害性T細胞を誘導するためにヒトのGM-CSFを過剰発現するように改良した。
JX-963は以前より研究されているアデノウイルスOnyx-015よりも効果的で、ターゲットとなるガンの種類も広い。
2007.10.31
↑BTW
アメリカのバイオ企業Onyx_Pharmaceuticals社が開発した抗腫瘍アデノウイルス。2003年1月に経済的な理由でP3が中止
E1B領域を破壊しており、ガン細胞の中でのみ増殖し、ガン細胞を破壊する。
臨床試験では30人にガン組織内投与し14%が効果あり、41%が変化無し、45%が悪化(1日1回5日連続、3週間ごとに投与)といった感じだったようだ
この薬の元になったのは中国上海のバイオ企業Shanghai_Biotechが開発した世界初の抗腫瘍ウイルス治療薬H101、同様にE1Bを欠損したウイルスでガン細胞の中でのみ増殖出来る。上海や北京に行けば治療を受けられるらしい。
E1Bを欠損したウイルスはウイルスRNAの核外への移行に問題があるが、なぜか腫瘍細胞ではこの機構がうまく働くようだ(参考)
同様なメカニズムの抗腫瘍薬として
GendicineやAdvexinがあるようだ(参考)
2009.04.28
p53タンパクを細胞内導入することでガン細胞の増殖を止めることが出来た。
↑BTW原文:
p53 protein transduction therapy: successful targeting and inhibition of the growth of the bladder cancer cells.
Eur Urol. 2006 Jan;49(1):161-8 PMID:16310931
2011.12.21
ガンにならず長い寿命を実現する進化を成し遂げたネズミ「ハダカデバネズミ」
↑BTW ハダカデバネズミ(Heterocephalus glaberまたはnaked mole-rats)はその名の通りネズミなのに毛が無く出っ歯(Wikipediaのページ、写真あり)な地中に住むネズミである。このネズミは他のネズミとは全く異なり、人類がうらやむ進化を遂げている。
特徴その1:ガンにならない。
このネズミは驚くべきことにガンにならない。解析の結果、普通のネズミやヒトがガン細胞の増殖を防止する仕組みを1つしか持たないのに対し、このハダカデバネズミは2つ持っていることが分かっている。
特徴その2:長寿命
通常のネズミの寿命は2?3年程度であるが、このネズミは10倍近い30年近い寿命を持つ。様々な解析の結果、ハダカデバネズミは長寿を実現するための多数の特徴を持っている事が分かっている。例えばハダカデバネズミは年老いても血管が若いままだそうだ。これはハダカデバネズミの細胞が活性酸素などの酸化ストレスに強く老化に伴ってタンパク質が劣化しないことが原因と考えられる。また、通常は老化に伴い増えてくる酸化ストレスそのものが少ないことが分かっている。これは細胞のエネルギー発生装置であるミトコンドリア(老化に伴い劣化すると活性酸素を出す)が普通のネズミやヒトのものより効率が良いためだ。
この不思議な進化を成し遂げた「ハダカデバネズミ」のメカニズムを分析して人間の健康に役立てようとする研究はあちこちで行われており、2011年の7月にはハダカデバネズミの全ゲノム配列が解読されたことが報告されました。この分析結果を元に寿命を延ばしたり病気を防いだりすることが出来る新しい方法が見つかるかもしれません。
2010.03.30
↑BTW
2010.06.18
放射線応答リガンドペプチドのクリックケミストリーによる修飾とパクリタキセル吸着性ナノゲルを使った抗腫瘍DDS製剤
↑BTW発表したのは米Vanderbilt大学の研究者ら。Cancer Resの6月1日号に発表。
使用したのはバレロラクトン-エポキシの架橋ゲルナノ粒子。このナノ粒子の調製に関する論文は
Polym. Chem., 2010, 1, 93 - 96に書いてある、粒子形成後にクリックケミストリー(thiol-ene reaction)により任意のペプチドリガンドを修飾可能。また、後からパクリタキセルなどの薬を高効率で封入することができ、初期バースト無しに直線的な除法を実現出来る。また薬を内包した後もナノ粒子の粒子サイズや粒子の特性が変化しないのが特徴。
今回はこの粒子に腫瘍細胞を放射線処理(XRT)した時に細胞表面に出現するGRP78のリガンドペプチド(GIRLRGA)を修飾(このペプチドはファージディスプレイで見出した)。修飾量は1粒子あたりペプチド37個?、粒子サイズは50nm
2010.06.28
↑BTW
発表はオーストラリア、EnGeneIC Pty Ltd.のJennifer A Macdiarmidら。
細胞分裂に異常のあるサルモネラ属の細菌Salmonella entericaの変異株に由来する染色体欠損粒子を使ってsiRNAをデリバリーしている。
Keyword:siRNA/1
2010.10.28
生活習慣の修正で直腸ガンになる確率を23%下げることができる
↑BTWデンマークの研究者らがコペンハーゲンやオルフスに住むデンマーク人のうち、ガンと健康の研究に参加した160725人のうち50?64才の男女55487人を平均9.9年間追跡調査した。
この期間で678人が直腸ガンと診断されていた。これらの内訳を調べたところ、(1)1日少なくとも30分の運動か、運動を伴う仕事につく、(2)腹周りが女性は88cm以下、男性は102cm以下(3)喫煙、(4)過度のアルコール飲酒を控える(女性は週7杯、男性は週14杯以下)(5)健康的な食生活。の5つを守ることで、直腸ガンになる確率を23%下げることが出来ると言える。
Association of adherence to lifestyle recommendations and risk of colorectal cancer: a prospective Danish cohort study
BMJ 2010;341:c5504 doi:10.1136/bmj.c5504 (Published 26 October 2010)(リンク)
Keyword:飲酒/13
2010.10.26
中年以降に放射線を浴びて癌になる確率は、これまで考えられていたより高い
↑BTWこれまで動物モデルを用いた研究では癌になるリスクは中年以降に浴びた場合よりも若年で浴びた場合の方が大きいと報告されてきた。しかし、日本の原爆患者の研究ではこれらの差は見られず、動物モデルとの違いは不明であった。
今回、Columbia Univertsity in New YorkのDabvid J. Brennerらは日本の原爆患者らを調査して被爆した年齢と癌になるリスクを再検討した。放射線により癌になる原因は2つ考えられる。
1つめの要因は細胞分裂が盛んな若年層で高いため、従来は若い時に放射線を浴びた時のリスクは中年以降に浴びた人より高いと考えられてきた。しかし中年以降の人の体内にはすでに前癌状態の細胞が多数あるため、2番目の要因を受けやすいため若年と同様のリスクがあることが分かったそうだ。
最近の研究で癌患者の2%がCT検診が原因で癌になった(nikkei)というショッキングな報告がなされている。CTはX線を使い体内の様子を立体的に可視化出来るがこの測定により単純なX線撮影の1000倍の被爆が生じる。(胸部単純X線検査(前後方向)が0.01mSv、腹部CT検査は10mSv)。今回の研究結果をふまえ、中年以降で受けるCT検診などで癌になるリスクにも注意を払う必要があると言える。
2009.04.02
久留米大学の国内初の「がんワクチン外来」、申し込み殺到で受付1時間で受け付け終了
↑BTW受付可能な人数60人に対し1時間で1600人の応募があったとか、受付再開は半年後の予定。
ガン患者さんには良くない状況だな
2008.07.03
↑BTW
2008.08.06
↑BTW
実験で用いたのは43種類のがん細胞と5種類の正常細胞。これらの細胞にビタミンCを加えるとガン細胞のうち33種類では半分以上の細胞が死滅したのに対し、正常細胞では変化は無かった。
また、腹腔内に腫瘍細胞を実験的に植え付けられたマウスに体重1kgあたり4gと大量のビタミンCを毎日投与したところ、ガンの縮小が見られた。研究者らはビタミンCから発生したH2O2がガン細胞を殺したと推定しているそうだ。
人間で同じことを行うとすると毎日ビタミンCを240g摂取しないといけないのでちょっと現実的では無いですね。''しかも原文を読むと、ガンが縮小したわけじゃないです。ガンが大きくなるのが遅くなっただけ、ビタミンCを大量に投与された人のガンも着実に大きくなっています。しかも投与は直接、腹腔に直接投与していてずるい感じ。まあPNASクオリティですね。これを読んでこれを毎日2.5瓶飲むのは無駄かも
原文:
Keyword:ビタミンC/4
2006.11.30
↑BTW
2008.02.15
精子と腫瘍は同じメカニズムで免疫細胞からの攻撃を回避している?
↑BTWヒトの精子も腫瘍細胞もMHCクラス1分子を持っていない。腫瘍細胞は十分な量の2分岐Nグリカンを表面に発現することでNK細胞の攻撃を防いでいることが知られており、精子も同様の戦略をとっているかもしれない。研究者らは精子表面のN型糖鎖を解析しヒト精子の糖鎖が先天的免疫、および獲得免疫の両方を抑制していることを見いだした。
Keyword:精子/25
2007.11.07
↑BTW
安全性が確認されれば「抗ガン作用」についても調査を開始するそうです。ちょっと回りくどいですがガン患者の中にはアガリクスによる補助治療を試みている人も多く、いきなり有効性を見ないのは、そのあたりへの配慮でしょうか?
2007.10.02
ジクロロ酢酸(DCA)の臨床試験が始まったそうです。(NewScientist)
↑BTW今年初めに抗ガン作用があるとして注目を集めた「ジクロロ酢酸(DCA)」の最初の臨床試験が始まります。
試験では50人の脳腫瘍患者に対して効果が試される予定。
このジクロロ酢酸の作用に関しては先日紹介しています。
ジクロロ酢酸に関しては、カナダのEdmontonにあるAlberta大学が動物実験の結果をNew Scientist ,20 January,p13)に報告したことで注目が集まり、販売サイトまで現れましたが、FDAに販売を差し止められるという経緯をたどっています。
この臨床試験に関して、これまでに80万ドルの寄付を集めているそうです。
2007.08.20
糖尿病治療薬「メトホルミン(metformin)」がガン細胞を死滅させることが出来る
↑BTW メトホルミンによりp53欠損腫瘍細胞が障害されることが分かりました。
研究者らはマウスの片側にp53が正常なガン細胞を移植し、もう反対側にp53欠損ガン細胞を移植しました。すると毎日メトホルミンを投与したマウスでは4週間後にp53欠損の腫瘍サイズが半分になっていたそうです。
メトホルミンは肝臓に作用して糖新生を抑制させ、また筋肉に作用して糖の取り込みを促進する作用がありますが、このような代謝調整機能の一部はp53依存的に行われるため、p53を欠損した細胞ではこのようなメトホルミンの糖代謝調整作用に毒性を示すと考えられるそうです。
人間のガン細胞の半分はp53を欠損していると言われており有用な抗ガン剤として使用出来る可能性があります。
2007.07.31
↑BTW
ジクロロ酢酸(DCA)というありふれた物質がガン細胞のみを死滅させることが出来るという報告がなされています。発表したのは、カナダのアルバータ大学の研究者。
ジクロロ酢酸はガン細胞特異的にミトコンドリアのピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(pyruvate dehydrogenase kinase (PDK))を阻害するようです。この結果、ガン細胞に細胞死を誘導しました。これらの採用は正常な細胞には見られませんでした。ジクロロ酢酸は発ガン性が否定されている物質で経口投与可能であり、これまでにも代謝障害の治療薬として使われている実績があるようです。安価な抗ガン剤になる可能性があります。DCAの抗ガン作用に関しては臨床試験が進められており、アルバータ大学が特設サイトを作って経過を報告しています。
この発表を受けて一般の人にジクロロ酢酸を販売するサイトが現れましたが、FDAからの指導を受けて閉鎖されてしまったようです。
2007.07.24
腫瘍細胞と正常組織をChlorotoxinを用いて見分けることが出来る
↑BTW2007年7月15日のCancer Researchに発表
Tumor Paint: A Chlorotoxin:Cy5.5 Bioconjugate for Intraoperative Visualization of Cancer Foci
Cancer Research 67, 6882-6888, July 15, 2007.
Chlorotoxinは古くから知られる36アミノ酸のペプチドですが腫瘍細胞に見られるMMP2を含むlipid raft(脂質のいかだ構造)に結合するそうです。
研究者らはこのChlorotoxinに蛍光物質Cy5.5を結合させることで腫瘍細胞のみを光らせることに成功しました。この方法を用いれば手術の際に腫瘍部分のみを除去することが簡単になる可能性があります。
2007.06.18
↑BTW
そのうち13個は肝臓の血管新生では見られず、腫瘍の血管新生のみで見られる。
その中のCD276は通常血管には見られず腫瘍血管のみに見られる細胞表面タンパクであるが、腫瘍そのものにも発現が見られるそうだ。CD276に結合する分子を得て利用すれば腫瘍を効率的に攻撃出来る抗ガン剤の開発が可能かもしれない
2007.05.01
島津製作所が、がんの転移に関わるタンパク質9種類を発見(プレスリリース)
↑BTW実験動物中央研究所との共同研究で癌の転移に関わる9種類のタンパク質を決定、島津製作所のNBS試薬を用いた。
膵臓ガンが肝臓に転移する時に大きな変化を起こすタンパク質160修理、大腸ガンが肝臓に転移を起こす時に変化するタンパク質150種類をベースに、共通するタンパク質を決定した。
2007.03.20
大腸ガンの転移に骨髄が関与、促進タンパクはCCL9(yomiuri)
↑BTW京都大学の武藤誠らのグループが発表
大腸ガン細胞はCCL9というタンパク質を大量に放出し、このタンパク質の放出により骨髄細胞の一部が血液中に放出、ガン細胞のまわりをとりまくように集まることを解明した。そしてこの骨髄細胞はガン細胞の増殖を促す2種類のタンパク質を出していたという。
CCL9がうまく働かないマウスではガン細胞の悪性化は起きなかった。この仕組みを抑える薬を開発すればガンを抑える薬が出来るかもしれない。
この研究はNat Genetics 2007/3/19に発表された。
2007.01.23
アメリカのガンによる死者が2年連続で減少。禁煙や治療技術の向上が原因(sankei)
↑BTW2004年の死者が2003年よりも3000人少なく2年連続で減少したことが分かりました。
部分別ではどのガンでも死者は減っているが、特に大腸がんでの死者の減りが著しいそうです。ただ、女性の肺がんだけは増加傾向。
この結果としてタバコの有害性が知られるとともに、大人の喫煙率が1965年の42%から2005年の21%に半減したことが大きいと考えられています。またガンになった後の5年生存率が1975?77年には50%だったのが、1996年?2002年には66%に上昇するなど治療成績の向上も寄与していると考えられます。
Keyword:タバコ/11
2006.12.26
↑BTW
6万人規模の追跡調査をしたそうです。発表したのは群馬大学の大谷哲也らのグループ。これまでは便秘だと大腸がんになりやすいと言われていた。便秘だと腸内にたまった有害物質が体内に入りやすく他の病気にもなりやすいのではないかという話もありますが、他のガンや、平均寿命との関係などはどうなんでしょう?
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