amrit-lab.comRSS
健康食品から再生医療・アンチエイジング、バイオハッキングまで、健康情報の根拠となる最先端の研究を分かりやすく紹介します。
 この日記のはてなブックマーク数 このエントリーをはてなブックマークに追加
最近アクセス数の多い記事

すべて見る

2025.12.17(水)

日本アマガエルの腸内細菌Ewingella americanaを1回投与するとマウスの癌が消滅する

↑BX.COM

JAIST(北陸先端科学大学院)の都英次郎教授らが発表。ニホンアマガエル(Dryophytes japonicus)、アカハライモリ(Cynops pyrrhogaster)、カナヘビ(Takydromus tachydromoides)の腸内から計45株の特殊な腸内細菌を試したらしい。

腸内細菌は酸素が無い状態を好む「嫌気性」なので投与後に低酸素の癌内部で24時間で3000倍に増殖、かつ、この細菌の増殖により免疫系を強力に活性化するらしい

なかなか楽しそうな研究室だな

Category:ガン・腫瘍

 Keyword:腸内細菌/175




2025.12.15(月)

現在使用可能なダイエット医薬品リストと開発中の未承認薬。Tirzepatideが最新(2025年12月)

↑BX.COM

なるほど現在は2024年12月登場のGIP/GLP-1たブルアゴニストのTirzepatideが薬効の点では無双しているのか。セマグルチドは時代遅れとは知らなかった

GIP/GLP-1受容体作動薬

薬剤名(日本語) 薬剤名(英語) 有効成分 投与方法 体重減少効果 保険適用 主要な特徴
ゼップバウンド Zepbound Tirzepatide 週1回皮下注射 20.9%(高用量15mg) 保険診療予定 世界初のGIP/GLP-1デュアル作動薬、心血管保護作用あり、2024年12月承認
マンジャロ Mounjaro Tirzepatide 週1回皮下注射 ゼップバウンドと同等 2型糖尿病治療薬 ゼップバウンドと同一成分、2型糖尿病治療薬として2023年発売
上記二つは同一薬物で適用が異なるだけ、15mgの高用量投与では全体の50%以上が20%の体重減少を達成。心血管イベント発生率を20%、腎臓障害発生率を50%低下させるなど健康効果も抜群

GLP-1受容体作動薬

薬剤名(日本語) 薬剤名(英語) 有効成分 投与方法 体重減少効果 保険適用 主要な特徴
ウゴービ Wegovy Semaglutide 週1回皮下注射 13.2%(日本人平均)、14.9%(2.4mg投与) 保険診療対応 日本初の肥満症治療薬、2024年2月発売、STEP1試験で強い効果
オゼンピック Ozempic Semaglutide 週1回皮下注射 5〜6kg(半年〜1年) 2型糖尿病治療薬 本来は糖尿病治療薬、オフラベル使用で減量効果
リベルサス Rybelsus Semaglutide 1日1回内服(飲み薬) 1〜3か月で効果開始 2型糖尿病治療薬 唯一の内服GLP-1受容体作動薬、注射が不要
トルリシティ Trulicity Dulaglutide 週1回皮下注射 相対的に低い 2型糖尿病治療薬 食欲抑制作用がウゴービより弱い
平均13%の体重減少効果、DulaglutideはSemaglutide より若干効果が弱い傾向


食欲抑制剤

薬剤名(日本語) 薬剤名(英語) 有効成分 投与方法 体重減少効果 保険適用 主要な特徴
サノレックス Sanorex Mazindol 1日1回内服(昼食前) 平均1.7kg、最大10kg BMI?35で保険適用 1992年発売、日本唯一の承認食欲抑制剤、中枢神経系作用
脳に作用して食欲を減らし、消費カロリー増を促す。国内承認だがBMI35以上の高度肥満で無いと自由診療。

脂肪吸収抑制剤

薬剤名(日本語) 薬剤名(英語) 有効成分 投与方法 体重減少効果 保険適用 主要な特徴
ゼニカル Xenical Orlistat 1日3回内服 脂肪吸収30%阻害 未承認(処方可能) 脂肪分の多い食事に適応、日本未承認
アライ Alli Orlistat 1日3回内服 脂肪吸収30%阻害 市販薬(2024年4月販売開始) ゼニカルのジェネリック的ポジション、薬局購入可能
食事中の脂肪の吸収を抑える。

(省略されています。全文を読む

Category:ダイエット・メタボリックシンドローム

 Keyword:Orlistat/5 Alli/5 GIP/21 糖尿病/189 脂肪/434 GLP-1/51



2025.12.09(火)

脳にはリチウムが含まれており、含有量の減少がアルツハイマーを進行させる可能性があるとの研究結果。オロチン酸リチウムの投与で治療効果もマウスで確認

↑BX.COM

アルツハイマーで死んだ人の脳の金属量を測定したところリチウム量は共通して減少していたそうです。

リチウムは脳内の掃除屋として働く免疫細胞に必要ですが、脳内のリチウム濃度が減少することによりこれらの免疫細胞の働きが弱り悪循環としてアルツハイマー病の原因物質として知られるアミロイドβが蓄積していくのではないかとのこと。

まあ、アミロイドβはリチウムを吸着する働きがあり、これが相乗的に作用して脳内のリチウム濃度を下げているかもしれないそうです。

研究者らはマウスにオロチン酸リチウムを投与することでアルツハイマー病賞状の改善が見られることも確認しています。

人間の躁うつ病の治療などに「炭酸リチウム」が使われており、この炭酸リチウムがどの程度効果があるのかは不明ですが、理屈の上ではオロチン酸リチウムの方が効果が強いと予想されるそうです。

余談ですが、古くから水道水のリチウム濃度が低い地域では自殺が多いというデータが報告されているらしい。

Category:#脳 #中枢神経 #神経

 Keyword:アミロイド/21 うつ病/21 うつ/2 Alzheimer/153



2025.11.26(水)

ファイザーのmRNAタイプのインフルエンザワクチンの感染予防性能が従来の不活化ワクチンに勝っている臨床試験結果

↑BX.COM

米国、南アフリカおよびフィリピンで実施された2022〜20234年の臨床試験試験結果です。調査対象は18476人。二つのグループに分けファイザーが開発するmRNAワクチン(新型コロナワクチンと同じタイプ)と既存の不活性化成分ワクチンの性能を比較しました。

結果、ファイザーのmRNAワクチンを投与された9118人のうちインフルエンザを発症したのは57人、一方、従来の不活性化成分ワクチンを投与された9251人のうち発症したのは87人であり。新しいワクチンの方が発症者を34.5%多く減らせることが分かりました。

そこまで劇的では無いですねー。

今シーズンから出回っている鼻から投与する生インフルエンザワクチン(フルミスト)との比較はどうなんでしょうか?フルミストはアストラゼネカの子会社が開発し日本国内では第一三共が販売しているそうです。
インフルエンザワクチンもっと安く投与出来るようにならないかな・・・


Category:未分類

 Keyword:インフルエンザ/23 ワクチン/353



2025.11.17(月)

書籍「私たちは意外に近いうちに老いなくなる」

↑BX.COM

同意だけど、著者は不老実現に間に合わなさそうなお偉方が並んでいるな

内容は各論の寄せ集めかな。。。

Category:書籍



2025.11.12(水)

CRISPR/Cas9ゲノム編集技術を用いた世界初の遺伝子治療薬「Casgevy」が欧州、米国などで承認。1回で治るけど治療費3億2000万円。多数のゲノム編集医薬品の臨床試験が進んでいる。

↑BX.COM

これから無限に続いていく遺伝子編集による治療の歴史が始まったわけだ。そして若返りなど細胞機能の劇的な変化を起こしたいなら薬には荷が重く、遺伝子編集に頼る必要があるんじゃないだろうか。

この人類初の遺伝子編集医薬品の開発はVertex Pharmaceuticals社と CRISPR Therapeutics社。適用は鎌状赤血球患者とβサラセミア患者。治療方法は患者から造血幹細胞を採取して遺伝子改変を行った後で体内に戻す方法(つマリ ex vivo法)とのこと。標的遺伝子はBCL11A遺伝子のエンハンサー領域。

Vertex Phamaceuticals社は上場しているね。PER=30程度。売り上げ1.5兆円/年ぐらい。承認医薬品は7つ。パイプラインを見ると他に遺伝子編集品は無いね。創製したのはCRISPR Therapeutics社か

(省略されています。全文を読む

Category:#ゲノム編集 #デザイナーズベイビー

 Keyword:CAR-T/17 造血幹細胞/4 CRISPR/Cas9/18 幹細胞/104 メチル化/113



2025.11.06(木)

数週間で歯のエナメル質を再生する画期的なジェル。Mintech-Bio社より来年製品化

↑BX.COM

英国の研究チームが開発したこのジェルは唾液中のカルシウムとリン酸イオンを取り込み、エナメルの規則的な結晶成長を促す足場を形成して、欠損部を埋めつつ元の強度と性質を回復させるらしい。

研究成果はNature Communicationsで報告。仕組みは、乳児期のエナメル形成を模倣したもので、フッ化塗布と同様に短時間で非外科的に適用できると考えられるそうです。

初期虫歯の予防から微小欠損の回復、知覚過敏の治療にパラダイムシフトを起こすと期待とのこと。

Category:#歯の健康テクノロジー

 Keyword:カルシウム/22 虫歯/186



2025.11.04(火)

豆モヤシに含まれるクメストロール(Coumestrol)で男性の血中テストステロン値が上昇するとの臨床試験結果

↑BX.COM

研究者はHASPINという遺伝子の研究を以前より行っていましたがこのHASPIN阻害剤として知られるクメストロールに着目しているようです。

これまでに動物実験でアルツハイマー病の発症予防や、大腸癌の抑制を証明してきましたが、今回ついに人間ボランティアを使った臨床試験を行い、人間での薬効の証明に成功したとのこと。

臨床試験では佐世保市に住む9名の男性(55〜57歳)を使いました。豆もやしは乾燥、粉末化してサプリメントにしています。1つのカプセルには14mgのCoumestrolが含まれており、これは豆もやし100gに相当するそうです。

豆もやしに含まれるクメストロールは24℃で育てることで増えること、その成分は豆部分(Cotyledon)には含まれず茎部分(Hypocotyl)にのみ含まれることなどを以前の研究で報告しています。

(省略されています。全文を読む

Category:未分類

 Keyword:テストステロン/28



2025.10.22(水)

マウスにトラメチニブ(trametinib)とラパマイシン(Rapamycin)を組み合わせて与えることで寿命が30%以上延長した

↑BX.COM

動物でインスリン→IGF→mTORC1→Ras経路を抑制してやると寿命が延長することが知られています。この経路は癌治療やメタボリックシンドローム治療薬として多くの薬がありますが、今回研究者らはマウスにmTORC1の阻害効果が知られるラパマイシン(2週間に一度42 mg/kg)と、Ras-MEK-ERK阻害剤であるトラメチニブ(餌に1.44mg/kgを混ぜる)を投与しました。トラメチニブ単独でも寿命延長効果が見られ、すでに寿命延長効果が知られるラパマイシンと同時投与することうで相加効果も見られました。

メスマウスでは中央値で34.9%、最大寿命で32.4%延長。オスマウスでは中央値で27.4%、最大寿命で26.1%です。

また2つの同時投与で肝臓がんや脾臓がんの発生が減少し、また加齢に伴う脳のグルコース取り込みの減少を抑制しました。

さらに脳、腎臓、脾臓、筋肉、および血液中での炎症が低下しました。

トラメチニブは抗がん剤として、ラパマイシンは免疫抑制剤としてすでに使用されている薬です。

トラメチニブの個人輸入はあるけど高いなぁ

Category:#アンチエイジング・老化抑制技術

 Keyword:免疫抑制剤/15 インスリン/83 rapamycin/25 ラパマイシン/45 筋肉/228



2025.10.17(金)

Cognixion社、Apple Vision ProとBCI(脳ーコンピューターインターフェイス)を接続するAxon-Rの臨床試験を実施。思考するだけで意思を伝える技術をテスト

↑BX.COM

Cognixion社の技術はイーロンマスクのニューラリンク社と異なり非侵襲性(脳に穴を開けない)技術です。臨床試験ではVision Proのヘッドバンドに8つの脳波センサー(EFG)を埋め込み、これらにさらに8チャンネルの生体センサー(心電図や筋電図、眼電図)などを使い合計16チャンネルの信号を統合して考えて居ることを読み取るようです。

下記は2021年の古い記事ですがCognixionのような非侵襲型BCIスタートアップ5社を紹介しています。
Cognixionの他にはKernel、Muse by Interaxon、Emotiv、Bitbrainがあるようです。
脳に穴を開けてセンサーを挿入せずに思考を読み取る技術は魅力的に聞こえますがやはりイーロンマスクのニューラリンクのような方式と比較すると圧倒的に得られる情報が少ないようです。

例えばさらに多く情報が得られる方法、たとえばMRIの中にヒトを入れ脳全体の動きをスキャン出来るならかなり思考を細かく読み取ることが出来るという研究もあります。

Category:#生物ー機械インターフェイス

 Keyword:脳波/15